ラジコン飛行機の製作・・・モスキートモス号

Moth01

はじめに

話せば少し長くなる。。。
小学2年生の息子が誕生日のプレゼントにラジコン飛行機が欲しいと言った。 聞くと近所の模型店に数年前から一つだけ置いてある、天草エアライン仕様の DHC−8が欲しい言うのだ。実は私もこれは気になっていた。
しかしラジコン飛行機と言えば昔は小学生の誕生プレゼントなんぞにおいそれ と買えるものではなく、永遠の夢の様なものであったはずだ。 そういえば二十年以上前、キットの飛行機を途中まで作り、結局どこで飛ばすか という問題に直面して挫折した事がある。 しかし近頃この手のトイラジコンは結構リーズナブルな価格で売られており、 現在の居住地ならば近くに飛ばせそうな場所もある。 ここで息子をダシに 購入してみるのも悪くはない。 結局、模型店の棚の最上段に数年間君臨していたDHC−8を購入したのだ。
早速近所の草っ原で飛ばしてみる事にした。結構草深いので滑走する事はできず、 息子に送信機を持たせ、私が手投げで発進させた。 全開で飛び上がった機体は 案の定、約3秒後には墜落し主翼がポッキリと折れてしまった。 まあ、ある程度予期していたもののいきなりの手投げ発進は無謀だった様だ。 主翼はスーパーで惣菜が入っている容器と同様の材質で、恐らくこれが発泡ポリ スチレンよばれる物だろう。とりあえず接着剤+テープでなんとか補修ができた。
それ以来、滑走できる飛行場を見つけて「滑走→数十センチ浮上→着陸」の練習 を続けている。そろそろ上空に上げても良いと思うのだが息子はまた壊れる事を 恐れてまだ空に上げようとはしない。 私としても一応息子の持ち物である為、無理強いはしないでいる(壊すと面倒だし)。
AMX01

で、ここまでは前置きである。要は以上の様な状況で息子に気兼ねなく飛ばせる 自分の飛行機が欲しくなったのだ。先にも書いた二十数年前に作りかけた飛行機 は、まだ捨てずに置いてある。プロポも壊れていると思っていたが新しい電池で 試したらあっさり動作した。こうなると四分の一世紀振りに製作を再開するしかない。

モスキート・モス

呆れる程のブランクを経て製作を再開した機体はムサシノ模型飛行機研究所のキット、 「モスキート・モス号」である。この機体は軽い機体の割りに大きい主翼を持っており ゆっくり飛ぶ事が特徴で、現在でも根強いファンがいる様だ。
本来この機体は06〜09クラスのエンジンを積む設計になっている。 私も当時OSの10エンジンを購入し何度か慣らし運転等を行ってそのままにしてある。 これについては燃料がすっかり固まってしまい手で回そうとしても ビクともしない状態になっていた。 これを動作する状態に持って行くのはかなり苦労しそうである。 そこでエンジンは一旦諦め、電動化する事を検討した。 製作のブランクの間に電動ユニットが目覚しい進歩を遂げていたのだ。 昔は空モノといえばエンジンでなければ飛び上がる事はできないものだったが今は十分パワフルかつ長時間、しかも安価に使用できる時代になっている様だ。 ブラシレスモーター、リチウムイオンポリマー電池(通称リポ)等を用いて電動化してみる事にした。

機体の製作再開

製作再開にあたり、機体の状態をチェックしたところ、色々と問題が見つかった。列挙すると次のとおりである。
  1. 機体前部(箱状部分)と後部(トラス構造)との接着が少しずれている。
  2. 主翼が少しねじれている。
  3. 設計図が一部虫食いになっている。
1.については一旦切り離して付け直した。結構大仕事であったが何とか真直ぐについた。 かなりの量のエポキシ接着剤を使用したので重くなったかもしれない。
2.については平らな机に貼り付けておき霧吹きで湿らせた。 暫くして外してみたところ、まだ少し反っていたので今度は逆に反らせる様に固定して霧吹きをかけたところ、今度は丁度真直ぐになった。
3.については・・・まあ致命的な問題ではないので我慢する事にした。

パワーユニット

機体製作と平行してパワーユニットの選定を行った。
インターネット上の通販サイトを探し比較的割安と思われたenRouteから、サイズが適合しそうで価格が手頃なブラシレスモーター、アンプ、リチウムイオンポリマー電池等を購入した。 主なパーツは次の通りである。
  1. モーター:enPower2212-1400
  2. アンプ :enESD-25LC
  3. バッテリ:enLipo 1300mAh2セル
Moth02 こんな感じ。。。ラジアルマウントでむき出しに固定している。防火壁の穴は空気取り入れ口。
Moth03 なおサーボについてはロボットで使おうと思って以前購入していた9gのものを流用した。
リンケージは水糸式。

プロポ

プロポもこれまた古く、サンワのSTACK−4という物だ。 大昔、小遣いを握り締め神戸の須磨模型で買ったのを覚えている。 当時電動カーに使用していた。しかし最終的には飛行機を目的にしていたので一応40MHzバンドである。
暫くこれで飛ばしていたが、その内、受信機が故障した。 動作したり止まったり。止まっているときは局発が停止している模様。 40MHzのBバンドというのも古い規格なので(もしかして電波法違反?)、結局、オークション入手した新しいプロポ(STACK−4と比べての新しいという事です)に載せ変えた。

機種部分

元々の機体がエンジン仕様であった為、機種部分は大幅に改造した。
まずエンジンマウント部分は10クラス用に製作していた為、これは丸ごと取り外した。
そして図面に記載がある06クラス用ラジアルマウント仕様に作り直した。
購入したブラシレスモータにはラジアルマウント用の金具がついて来たのでこれを用いることにした。 10エンジンと比べると今回のモータはかなり軽くなっているので重心が後ろになってしまいそうな気がする。 そこでマウント位置は若干(10mmぐらい?)前に出す様にした。一通り搭載した後、バランスをとってみるとまだ後ろに重心がある。 そこでモーターの取り付けネジにスペーサをかましす事で更に15mm程前に出した。これでもまだ少し後ろに重心があるが、まずはこれで試す事にした。
Moth04 何度か飛ばしているうち、木にぶつけて機首を壊したついでにバルサで延長した。

この写真は機首延長後のもの。。。
Moth05 ボンネットのフタを閉じたところ。輪ゴムを多用しすぎた様な。。。

動翼

ラダーやエレベータのヒンジはキットの図面に従い「絹糸止め」である。リンケージも図面通りの水糸式。どちらも特に不具合なく動作している。
Moth06

フィルム

そんなこんなで機体と翼の生地が出来上がったのでフィルムを貼った。
これまた大昔に買ったEXCELコートという物だ。初めてのフィルム貼りである。 古いので着くかどうか心配だったがとりあえず貼れた。
この状態で重量を測ると620gであった。キットの基準重量750gに比べて少し軽量になっている。

初飛行

飛行に先立ちRCシミュレーターのFMSでたっぷり練習をした。 さいわいモスキートモスのモデルデータがネット上にアップされていたのでリアルな練習ができた。
そしてキットに付属していた初飛行手引書に従い、手投げでの滑空試験をしてみた。 若干右に曲がる傾向があるがトリムで修正できるレベルである。
その後実際にモーターを回して手投げした。練習の効果は大きく、意外にあっけなく飛ばすことができた。
しかし少し上下動が大きい気がする(シミュレーターと比べてであるが)のは、やはり重心が後ろ過ぎる為と思われる。
暫く周着飛行をした後、着陸させることにした。ただしこれだけは不安があったので背丈程ある草の上にフワリと下ろした。

微調整

重心を前にする為、おもりとして半田を機首に巻きつけたところイイ感じになった。
上にも書いたが、この状態で何度か飛行を行っている内、着陸に失敗して立ち木にぶつけて機首が壊れてしまったので、 これを機にスペーサや半田のおもりを止め、機首部分を更に伸ばす様に作り直した。
その後も細かい調整はあるが一応完成である。
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