フライトコントローラーを自作してみる。~その13~ Rev2基板動作確認

いよいよ電源を入れて動作を確認します。
まずは実験用電源からUSBコネクタへ、電流制限しながら5Vを印可・・・問題なし。

ではBOOTボタンを押しながらUSBケーブルでPCと接続・・・BetaflightConfiguratorを立ち上げておくとDFUモードに入る筈ですが反応ありません。
調べていくとR1とC7が入替わって取り付けていることに気づきました。
パターン上の近い場所にあったので間違った様です。リセットかかりっぱなしだしクロックも発振しないし、こりゃ動作しませんよね。

R1とC7が入替っていた。動く訳ないっす。

R1とC7を正しく取り付けなおすとDFUモードに入る様になったのでBetaflightのファームウェアを書き込んでリブート。すると今度はBOOTボタンを押していなくてもDFUモードに入る様になってしまいました。
原因はBOOT0端子のプルダウン抵抗R11のはんだ付け不良で、クリームハンダの乗りが少なかった様です。

ここまでで安定に動作モードに入る様になり、BetaflightConfiguratorからも認識されましたが、今度はジャイロ(加速度機能も)が認識されません。基板を傾けても画面上の機体は静止したままなのです。
ここは色々悩んだのですが結局はこれもジャイロの接続不良でMPU-6000を取り付け直したら正常動作となりました。

どうも今回ははんだ付け不良が多いなぁ。Rev1基板の時はもっとリードが細かいジャイロIC(MPU-6500)でも接続不良は無かったのに。。。
やっぱり固まったクリームハンダを溶かして使ったのが原因でしょうか?

まあナンダカンダで正常動作する様になりました。OSDも正常です。
また手持ち数が少ないので取り付けていなかったフラッシュメモリ(BlackBOX用)も取付けてログが取れる様にもなりました。

では5インチ機に積んでホバーリングテスト

特に問題なく飛びます。この後FPVでも問題ありませんでした。

という事でFC完成とします。
この後は処理能力の高いSTM32F405やSTM32F722を試そうと思ったのですが、昨今の半導体不足の為か入手できません。Aliexpressでは何度もキャンセル食らうし、RSやチップワンストップも入荷未定になっています。

STM32F411ならあと数個持っているのですが出来れば早いマイコンで試したいですよね。

フライトコントローラーを自作してみる。~その12~ Rev2基板組み立て

PCBGOGOからRev2基板が届きました。
が・・・ メタルマスクが裏面の分しか入っていません。発注内容を確かめると確かに裏面だけを注文していますね。
毎回なにかミスるなぁ。今回、基板自体は散々見直したんですけどね。

基板の裏/表。メタルマスクは裏面用のみ。

仕方ないのでメタルマスクの表面だけ再発注したところ、1週間せずに到着しました。早い!

メタルマスク表側

とにかく必要なものは揃ったので組立てに入ります。
机の上を片付けて適当な紙を敷きました。

こうやってマスクを被せた上からクリームハンダを塗るつもりなのですが・・・

クリームハンダがだいぶ固くなっています。
これって数か月で劣化してしまうらしいですね。一応冷蔵庫には入れていたのですが。

試しに無水エタノールを吹きかけて練り直してみると柔らかくなりました。
エタノールは何かと使うので、のどスプレーの空き容器に入れておくと便利です。

柔らかくなったのでメタルマスクの上から塗ってみます。


マスクを外すと・・・・なんか多くの箇所で短絡している。

柔らかくしすぎたかな。一旦クリームハンダをふき取ってやり直します。
少しアルコールを飛ばして適当な粘度になったところで塗りなおし(実際は何度かくりかえした)、大体いい感じになったと思うので部品を載せて・・・

リフローした結果がこれ。前回もそうでしたがマイコンのリードにブリッジができています。リフロー条件の問題か?
後から半田ゴテで修正します。

そして裏面も同様にリフローした後。こちらはブリッジは見られませんね。
なおU7と書いてあるところに部品が載ってませんが、これはBlackBOX用のFLASHメモリーを載せる場所で、部品の手持ちが少ないので一通り確認した後に手はんだで載せる予定です。

動作確認編へつづく・・・

フライトコントローラーを自作してみる。~その11~ Rev2基板

ブログを遡って読むと、ほぼ1年前からフライトコントローラー(以下FC)を作り始めていました。当初はFCを何度も壊すので自作して安く済まそうという魂胆でしたが、だんだんとFCを作る事自体が目的になっている気がします。

前回はRev1基板を使って3インチ機でFPVしたところまで書きました。その後5インチ機でも問題なく飛行できる事を確認しています(まあ3インチで飛べりゃ5インチでも飛べますよね)。

HOIHOIFC-F411 Rev1
ツギハギだらけです。パターンも何か無駄に遠回りしているところがあるし

という事で、Rev1基板の不具合修正や改良を加えたRev2基板を作っていきます。

まずはRev1基板の不具合点を振り返ると・・・

・USB信号のプラスとマイナスが入れ替わっていた。
・ブザー駆動トランジスタのピン配置を間違っていた。
・ブザー駆動トランジスタのベース100KΩという大きな抵抗値になっていた。
・DCDCコンバータ周りの配線が長すぎて電圧が揺れていた。
・取付穴位置を30mm角ジャストにしていた(一般的なサイズは30mmジャストではなく30.5mmでした)

当然ながらこれらは修正します。

BEC(DCDCコンバータ)について

バッテリー電圧から5Vを作り出すDCDCコンバーターICについて、前回はMonolithicPower社MP2359を使っていました。これは出力1.2A、最大入力24Vでしたが6セルバッテリーにすると耐圧が足りないのでMP1584に変更します。これだと出力3A、最大入力28Vです。
実際にはショットキーダイオードの3A品はサイズが大きいので2A品を使う事にして定格2A(瞬間的には3Aいける)BECです。
事前にMP1584を試した話はこの辺りに書きました。

左がMP2359,右がMP1584。
MP1584にするとだいぶ大きくなるなぁ。

DFUモード安定化

前回DFUモードに入りにくい(不安定)という問題があり、BOOT0に加えてBOOT1端子もLに落としたりしてみましたが今ひとつすっきりしていませんでした。
でも今回原因が分かった気がします。
STM32マイコンはBOOT1端子=H状態で起動するとブートローダーが立上るのですが、この時USARTやCAN等、幾つかのシリアルポートに信号が来ているかどうかをチェックし、その後USBを見に行きます。 この時USART端子に信号が入っているとその端子からプログラム書き込み信号を待つ様になってしまいます。
STM32F411の場合、USART1と3がブートローダー端子として動作します。そしてRev1基板ではUSART1にSBUS受信機を接続していました。
恐らくこれが邪魔してUSBを受け付ける状態まで進めなかったのだと思います。なのでRev2基板ではSBUS受信をUSART6に変更します。
そういえば市販FCもUSART6にSBUSを入るのが多いと思ったら恐らくこの理由なんだと思います。

ジャイロ

前回InvenSenseMPU6500を使っていました。
どうやらこれだと感度が高すぎて振動対策をしっかりする必要があるらしく、市販FCは大抵MPU6000を使っています。
という事でRev2もMPU6000に変更します。
またMPU6500はリードが0.4mmピッチに対しMPU6000は0.5mmピッチなので実装し易くなる事も期待しています。

左がMPU6500、右がMPU6000。
これも見比べると差が大きい。

マイコン本体

これまで最初に入手した評価基板に合わせてSTM32F411を使ってきたので今回もこのマイコンで進めます。
でもよりクロック周波数が高いマイコンにSTM32F405があり、ピン配置を調べたら1か所だけ変更すれば載せ替え出来そうなので後で試せる様に作っておきます。更にSTM32F722にも同じパッケージの製品があり、これもピン配置がほぼ同じなので使えるかもしれません(でも値段が高いんですよね)。

モーターの数

Rev1では基本の4本に加え予備として2本のモーター出力端子を持っていました。これでヘキサコプターを作れる筈なのです。
そしてRev2では更に2本追加し計8本にするので、その内オクタコプターを試してみたいと思います。

その他

発振子を小型の物に変えたり部品の配置を変更したり、結局かなりの変更量となりました。

最終的な回路図はこれ

そして基板パターン設計(これが一番大変だった)。

部品配置を変更したのでちょっと余裕ができた。
やっぱり基板設計は最初の部品配置が大事ですねー。

基板発注

基板はPCBGOGOに発注します。約500円の格安基板で作る場合、FusionPCBだとソルダーレジストの最小値が0.4mmなのでマイコンやジャイロのピン間隔(0.5mm)に対しては無理があるのです。
これに対しPCBGOGOは0.1mmなので多分大丈夫。(ただし送料が若干高い気がするし、また面付けすると高くなるので用途によって使い分けてます)

つづく・・・

RotorHazard~その2~

先日作ったRotorHazardを屋外の練習で使ってみました。

庭でTiny機を使って試した時の感触から、シールドケースにこれくらいの窓を開ければいいかなと思ったのですが・・・

思ったより感度が低く、結局は蓋を全開にしてちょうど良い程度です。

こんな感じでデータが取れます。
ほぼ問題なく取れているし取込みミスしたところは後から修正できます。

という事でいい感じに使えているのですが、PCとの間のWi-Fi回線が時々切れます。一度機体をぶつけてから発生している気もしますが単に電波状態の問題かもしません。
RoterHazard(のラズパイ)とPCの間は先日リサイクルショップにて770円で購入したWi-Fiルーターが中継しています。小型なのが気に入ってこれにしたのですがあまり強力そうには見えません。
同じ店にアンテナが3本くらい生えている強力そうなのが約900円であったのでそっちが良かったのかも。。。

家に帰って確認するとケースにペラが思いっきり当たった傷がついていましたがそれ以外に問題はなく、やはりWi-Fiルーターとの距離の問題だと思います。

次回やる時はRotorHazardとPCのなるべく中間付近にWi-Fiルーターを置いて距離を短くしてみます。

RotorHazard

NonsayaDroneWorksにRotorHazardの記事が載っていました。

私はドローンレースを主催する事はありませんが、練習の時にはラップタイムを計測したくて、この記事と同じ様にARマーカーを試したりしましたがやっぱり時々読み取りミスが発生するんですよね。また、かつてこんな記事を書いたこともありましたがその後まったく手を付けていません。
そこでこのRotorHazardなるラップタイマーを試してみようと思います。

RotorHazardはRX5808レシーバーが受信したFPV信号強度をArduinoを経由してRasberry Pi(以下ラズパイ)に渡します。ラスパイはWebサーバーとして動作し、PCのブラウザーで接続して操作できます。
RX5808とArduinoは受信するチャンネル数だけ必要なので最終的には3セット欲しいところですが、取り合えず手元にある1セット分で、またラズパイ3がおすすめらしいですが無いので手持ちのラスパイ2でやってみます。

最初RotorHazardのリリース版(RotorHazard-2.2.0)だとエラーが出たのでRotorHazard-2.3.0-beta2で実行できました。ライブラリバージョンとのからみっぽいです。
まあ何はともあれ上手く動作している様なのでAliexpressにRX5808モジュールを追加注文して2チャンネルにしてみました。
なおシールドしておかないと離れていても電波を受信してしまうのでお菓子の空き缶に収めています。

そして庭でTinyレース。庭だとどうしても計測ゲート以外を飛んでいる時の電波を拾いやすくなるのでコース設定に工夫が必要です。

こうなると野外に出て3インチや5インチの機体で試したくなります。その為にはちゃんとした基板とケースに収めたいと思います。
基板はRotorHazardのサイトにガーバーデータが掲載されているのでこのまま作ればよいと思ったのですが・・・

どうやら最小のビアサイズが小さすぎて約500円の激安仕様では作れず、見積もり価格が3000円を超えてしまいます。また基板の元データが無くてガーバーのみなので簡単には修正できないのです。

ならば新たに基板パターンを作ってみようと思った訳です。
日本では大抵3チャンネルで足りるしArduinoNANOを載せるのも勿体ないので直接ATmega328のフラットパッケージ版を載せたらコンパクトにできそうです。
また屋外のインターネットがつながらない場所で使うならリアルタイムクロックも搭載すると便利です(ラズパイ標準ではリアルタイムクロックを持っていないので電源を切ると時計がリセットされるのです)。

そして10枚500円仕様で作った基板がこれ。 。

マイコンの上を跨いで受信モジュールを実装する立体構造。

今回メタルマスクは注文せず、紙をレーザーカットしたマスクでハンダペーストを塗ってみました。ちょっと塗り辛いけど何とかなります。もしかすると塗り辛いのはハンダペーストが乾き気味だったせいかもしれません。
ただ何枚も塗るだけの耐久性はありません。

メタルだとそうでもないのに紙だと何だか汚く見える。

そしてリフロー

やっぱりリフロー炉作って良かったですねー。
表面実装できると何かと便利です。

リフローの結果。
一か所抵抗が立ち上がっています。これがマンハッタン現象ってやつですかね。
ハンダペーストの塗りが薄かったのかも。ここはコテで修正しました。

そしてブートローダー書込み×3回。

基板の裏に書き込み用パッドを設けているのです。

次にファームウェア書き込み×3回。

一旦ファームを書き込めば以降のアップグレードはラスパイからできる仕様になっています。(試してませんが)

ここでミスに気づきます。RX5808のピン並びが逆になっていて裏返しでしか実装できません。ま、とりあえず裏返しに実装します。

ラスパイに載せて動作確認OK!
ラスパイはメルカリで格安だったラズパイ3にアップグレードしています。

ボタン電池が載っているモジュールがリアルタイムクロック。

先日のMP1854ENモジュールを取り付けてリポから電源を取れるようにしました。

ケースに使う空き缶を探しましたがちょうど良いのがなかったので、2.5mm厚のMDFをレーザーで切って箱を作り、ダイソーの0.3mm厚アルミ板(裏面テープ付き)を貼り付けてシールドしました。

ケースのアルミシールドは回路のGNDに接続。

電源の入り口

XT60コネクタで給電

蓋を一部切って電波を取り入れます。ここの開き具合で感度を調整する予定。

ここの空け具合は色々調整してみます。

なおWi-Fiのアクセスポイントがない屋外で使うときは 、ラスパイとPCとの間をアドホックモードでつなごうと思いましたが設定変更が面倒です。
結局リサイクルショップに行ったらWi-Fiルーターが¥770だったのでこれを使う事にしました。

Wi-Fiルーター。中古とはいえ安くなったもんです。

これで完成かな。今度練習する時に使ってみようと思います。

ところでいまRotorHazardのページを見たらこんな基板がリリースされています。Arduinoの代わりにSTM32を使い、マイコン1個でRX5808モジュール8枚(ドミノ倒しみたいに縦に実装!)を制御するという構造。進化してます。
しかし8台同時にレースできるんですね、海外って。

MP1584EN その2

フライトコントローラーへの搭載を目論んでいるMP1584使用のDCDCコンバータがうまく動作しない話を先日書きました。
だいぶ更新をサボっていましたがその後の記録です。

まず前回はAliexpressで購入したMP1584ENがパチもんではないかという疑いを持ったのでマルツエレック経由DigiKeyにMP1584単体と、これを使用したモジュールを発注したというお話でした。

まずは届いたモジュールの動作を確認・・・

MP1584ENモジュール

1A流した時。きれいな波形が出ています。
※CH1(黄)は未接続、CH2がインダクタ通過後の出力波形。

CH2(青)が 5V出力5Ω負荷。
CH1はオープンです。

ICのスイッチング出力にCH1(黄)のプローブを当てると1MHz弱の矩形波が見えています。なお上の波形では綺麗だった出力が ここにプローブを当てる事でノイズが載る様です。

CH2(青)が 5V出力5Ω負荷。
CH1は(黄)はSW出力(MP1584の1pin)

次にIC単体で購入したMP1584EN

上がAliexpressで購入。
下がマルツ経由Digikeyで購入。

これは結論から言うとICがパチモンで上手く動作しないという訳ではありませんでした。
自作基板のMP1584ENをAliexpress購入からマルツ購入の物に変えても全く変わりません。

で、何が問題だったのか

結局は配線の取り回しが最大の原因でした。
欲張ってスイッチング周波数を上げると極力配線を短くする必要があります。それは言葉では分かっているのですが、では実際どれくらいギリギリまで詰める必要があるのかというと、もうとにかくできるだけ! 試作だからといってリード部品を使った時点でアウトだったみたいです。
今回やったのは次の点・・・
・まずインダクターとか転流ダイオード、コンデンサ類はとにかく可能な限り近づけます。
・インダクターも前回はアキシャルリードのパワーインダクタを使っていましたがチップ部品に変えました。
・Compensation端子につけるCRや周波数決定端子の抵抗もリード部品ではスイッチング波形が乱れていたのがチップ部品に変えると綺麗になりました。

ダメダメな配線
なんとかなった配線
ダメダメな波形
CH1は(黄)はSW出力
CH2(青)は5V出力5Ω負荷。
何とかなった波形
CH1は(黄)はSW出力
CH2(青)は 5V出力5Ω負荷。

何とかなった波形
CH1は(黄)はオープン、
CH2(青)は5V出力5Ω負荷。

スイッチング周波数の1MHzって電波の周波数やマイコンのクロックと比べると大したこと無いイメージですが、大電流のスイッチングは難しいんですね。

という事で・・・

6セルに対応するDCDCコンバータをフライトコントローラーに搭載できるめどが立ちました。
改良版フライトコントローラのプリント基板設計は、一番最初に電源回路からパターンを作っていこうと思います。

MP1584EN

自作フライトコントローラーではバッテリー電圧を5Vに落とすためにMonolithicPowor社のDCDCコンバータIC、MP2359DJを使っていました。このICは最大1.2Aを流せるので電流能力としては大抵事足りるのですが、入力電圧の最大定格が24Vとなっています。これは4セルLipoだと全く問題ありませんが6セルの場合は満充電時25.2Vなので定格を1.2V超えてしまいます。
5%の定格オーバーなので実際は耐えてくれるかもしれません。またシリコンダイオードを2本直列にして電圧を落とすという手もありそうですが、できれば素の状態で定格に収まるのが安心です。

そこで市販の6セル対応FCがどうなっているかを見るとMonolithicPowor社のMP1584ENが積まれていました。

ならばこれを試そうという事でMP1584ENをAliexpressに発注して10個¥218(送料無料)を購入しました。

と、その前にデーターシートによくわからない部分があります。ここにはスイッチング周波数は6pinとGND間の抵抗値で設定できて、次の式で決まる様に書かれているのですが・・・

Rfreq(KΩ)=180000/fs(KHz)

これだと1MHzにする場合、抵抗値は180KΩという事になります。しかし別のページには次のグラフが書かれています。

このグラフでは1MHzで動作するときの抵抗値は90KΩ程度に見えます。なんだか式とグラフが合わないっぽい・・・それともデーターシートの読み方を間違っているのか?

そこで市販FCに積まれているDCDC回路を実測すると抵抗値100KΩでほぼ’1MHzで動作していました。という事はグラフが正しいのでしょうか?

この辺りを含めて確かめる為に動作させてみます。なるべくデーターシートのリファレンスに近いパターンに基板を削って・・・

実装しました。

既に色々試してゴチャゴチャになった後の写真

動作させると狙い通り5Vが出てきますが、何だかリプルが大きいんですよね。特に5Ωのセメント抵抗を付けて1A流すと盛大にリプルが乗ります。

黄色:インダクターを通る前。青:インダクター通過後。

で、色々いじったのですが改善しません。というか、動作周波数が1MHzになる様に設定した筈なのに65KHzで動作しており、波形も随分と汚いのです。

因みに市販FCだとほぼ1MHzで動作しており波形もきれいです。

黄色:インダクターを通る前。
インダクター通過後の波形を残していませんでしたが上とは比べ物にならない綺麗な直流でした。


いろいろ弄ったのですが、今だになぜ周波数が低いのか不明です。もしかしてMP1584ENがパチもんなのか?
たしかに、Digikeyだと1個300円くらいするのがいくら中国通販とはいえ10個で218円は怪しすぎる気がします。

うーん、どうしよう? 市販FCとICを入替えればハッキリするでしょうが、ちょっとリスクが高いですよね。

そこでAmazaonでMP1584EN搭載モジュールが格安で売られていたのを発注しました。コイツで動作を確かめて上手く動いているのなら自分の基板とICを交換してみようと・・・。
そして到着したのがこれ・・・

Amazonで購入したMP1584(のはずの)モジュール。
ICの型番が消されています。

これどう見てもMP1584ではないです。デバイスのマーキングは消されていますがピン配置的にはMP2307っぽい。商品ページにはハッキリとMP1584ENと書かれているのに・・・とりあえず波形だけ見て返品しました。

謎IC使用のモジュール。周波数は263KHz。自分の基板よりはかなりマシな出力。

もう何を信じてよいかわからなくなってきました。
確実なショップでMP1584ENを購入したいのですがDigikeyだと送料が2000円くらい要るみたいなんですよね。
そこでマルツエレック経由だとDigikeyの商品が送料250円で買える事を発見。注文して現在入荷待ちです。

フライトコントローラーを自作してみる。~その10~ FPVで飛ばす。

前回、自作フライトコントローラーでホバーリングできるところまで確認したので次はFPVで飛ばしてみたいと思います。

が、その前に電源周りをもう少し強化しておきます。前回ノイズっぽかったのを転流ダイオードの配線を縮めて改善したのですが、まだスイッチングノイズが載っているのでその他の配線も縮めました。またGNDも配線追加により強化し、ノイズがかなりマシになりました。第二弾の基板ではこの辺りを盛り込む必要があります。

スイッチングレギュレータ周りの配線短縮&GND強化
だんだん汚くなってきました。

また機体発見ブザーを鳴らすトランジスタ、2SC2712のピン配を間違っていてブザーが鳴りませんでした。そこで無理やりトランジスタの向きを変えて取り付けています。
更にベース電流を決めるR14を100KΩにしていたのは大きすぎで5.1KΩに変更しました。試作基板はちゃんと5.1Kだったのになぜか回路図の段階で間違っていたのです。

機体発見ブザー周り。
トランジスタ斜め取付け。
R14はこの後変更しています(5.1Kの手持ちがなく6.8Kを使用)

以上の対策をした上でレース機に積むのですが、5インチ機にいきなり積むのも勇気がいるのでまずは3インチ機で試します。しかしフライトコントローラは35mm角なので一般的な3インチ機には積めません。そこで以前作ったウッドフレームに積んでみます。これだと35mm角の基板を載せるスペースがあるのです。


久々に登場、木製フレーム機。

この機体、いまはバラバラなので別の3インチ機からフレームとFC以外の部品を持ってきました。
ESCは25mm角なのでこの様な変換スペーサーをプリントして載せることにします。

35mm角⇔25mm角変換スペーサー

こんな感じで25mm角のESCの上に35mm角のFCが載っています。

全てが無理やり・・・

そしてホバーリング実験。
この時点ではBetaflightのバージョン3.5を書き込んでいて、前回の確認と同じで問題なくホバーリングできます。。
次にBetaflight4.2を書き込んでみます。前回の機体では4.2だと機体の揺れが収まらなかったのですが・・・この機体だとピタッと安定しています。

ならばFPVやっても大丈夫そうですねー。
という事で近くの原っぱにやってきました。

ゴーグルを付けて飛ばしてみると、何事もなく飛んでいきます!!
基板はツギハギだらけですが飛んでいる間は市販FCと特に違いは感じられないのです。
息子にも飛ばさせてみましたが特に違和感は無い様でした。

という事で色々見つかった不具合を修正すべく第二弾のパターン設計をしながらも次は5インチ機で試そうと思います。

フライトコントローラーを自作してみる。~その9~ 動作確認

前回基板に部品を実装したので、いよいよ動作させてみます。

まずはUSBコネクタから5Vを入れて電流が振り切れない事を確認しました・・・これは問題なし。
その後、BOOTボタンを押しながらPCとUSBケーブルで接続するとDFUモードに入る筈ですが・・・入りません。(T_T)

回路を見直していくと基本的な間違いに気づきました。USBのD+とD-が逆になっています!!そりゃダメだわ。


完全に見落としですねー。

とにかく修正します。
D+とD-には後からダンピング抵抗を入れられる様0Ωの抵抗を付けているのでこのパターンを使って配線をクロスさせます。

モーターのコイル巻き直しに使ったエナメル線で配線をクロスさせました。

改めてケーブルをつなぎなおすと、今度はDFUモードに入りました。
そこでBetaflightConfiguratorのUpdateFirmware画面から以前作ったファームを書き込みました。
ここまで何とか問題なし(いや問題はあったけどとりあえず修正済)。

そして改めてケーブルを挿し直してBetaflightConfiguratorで接続すると、ちゃんと認識されています。この状態で基板を手で動かすと傾きが表示されるので、ジャイロセンサーも正常に接続できている事になります。実はここのパターンが細かくて一番心配でしたが正常にリフローできた様です。

あとはフライトコントローラーとしての諸々の設定をしていきます。
ここまで正常。

次に受信機を接続し、送信機の操作が伝わっている事も問題なし。

ではESCを接続してモーターを回してみます。安定化電源から2セル分の7.4Vを供給してBetaflightConfiguratorモーターつまみを上げていくと・・・ちゃんと回ります。

ならばバッテリー(3セル)を接続して送信機から制御してみると・・・なぜかArmingできません。安定化電源に戻して色々試したところ、どうやら2セル電圧だとArmingできるのに3セル電圧だとダメみたいです。
となるとBEC回路ですかね。電源電圧によって違いがあるのはBEC回路より手前だけの筈・・・。

そこでBEC回路の出力をテスターであたるとちゃんと5Vになっています。
しかしオシロで見るとBECのスイッチングノイズが電源が高いと大きく載る様です(波形取り忘れた)。

原因はどうやら図のところ、スイッチング電源のダイオードのループが長すぎた様です。
2層基板に無理やり載せたので電源周りが厳しい気がしていたのですがやっぱり。 GNDの取り回しが遠回りな感じ。

そこでGND側を最短になる様に配線を追加しました。これでもOKだったのですが念のため5Vラインに47uFを追加しています。でもまだちょっとノイズっぽいけど先に進めていきます。

これで3セル電圧でもArmingできる様になったので例の「えー加減な機体」にペラを付け、Angleモードでホバーリングさせてみます。

すると斜めに振動しながら浮き上がりました。でもこれは想定内。試作回路で飛ばした時もファームがBetaflight4.2だと同様の現象が起こり、市販のFCでも同じでBetaflight3.xに下げると安定したのです。今回もファームのバージョンは4.2を書き込んでます。
4.2で揺れる原因は調べていませんが何か機体の特性みたいです。でもバージョンで変わるのでPIDかフィルターかそのあたりを調整すれば4.2でも納まりそうな気がします。

とりあえず今回はBetaflight3.xを書き込んでみます。
・・・すると、あれ?またDFUモードに入らないぞ?

どうもDFUに入る時と入らないときがあります。
DFUモードに入れる方法には二通りあって、BOOTボタンを押しながら電源を投入する方法とBetaflightConfiguratorの「ブートローダー/DFUを有効化」ボタンを押す方法があります。このどちらの方法も不安定で、ダメなときはずっとダメなのに入る時は繰り返してもうまく入るのです。成功率30%くらいでしょうか。

BOOTボタンを押すとSTM32F411のBoot0端子がHレベルになる筈で、実際オシロで見てもHになっていて、この部分は大丈夫だと思います。
ここでひとつ気になるのはBoot1端子です。 Boot1はPB2と共通の端子で、マニュアルによるとDFUモードに入れるためにはこれをLレベルにすることになっています。
しかしDIOと共有なんですよね。この端子を本当にLに落とす必要があるのか、回路図を書くとき疑問に思いました。そこでSTマイクロエレクトロニクス社の純正開発ボードSTM32F411Nucleoを調べたらこの端子はオープンで、これを使った試作機は問題なかったので、安心してフライトコントローラーもオープンにしていたのです。
しかし改めてマニュアルを読むとやはりLにしろと書いてあります。
という事で0.5mmピッチQFPのリードに無理やり電線をハンダ付けしてプルダウン抵抗をつないでみました。

これで成功率が上がりました。でもまだ時々ミスるのでまだ何か他に原因がありそうですが、やっぱりBoot1はLにするのが正しいのですかね。まあマニュアルに書いてあるから当然そうすべきで、最低でもパターンを引き出しておけば良かったんですが。でもNucleoはなんで大丈夫なんだろう?(端子オープンなのでたまたま上手くいっているだけなのかもしれません)

時々失敗する理由は判りませんが、とにかくBetaflight3.5のファーム書き込む事ができたので再びホバーリングにチャレンジ。
初飛行の動画です。

ちょっとふらついていて調整の余地が(私の操縦技術の問題も)ありますが一応ホバーリングしています。

あとOSDとBLACKBOXへのロギングも大丈夫でした。
ここまでの問題点をまとめると次の通りです。基板の第二弾を作る時(やるのか?)修正したいと思います。

  • USBのD+とD-の入替り。
  • 5Vスイッチングレギュレータ周りのGNDの取り回し
  • Boot1端子のプルダウン

という事で何とかホバーリングするところまでたどり着いたのでレーサー機に載せてどうなるかを試していきたいと思います。

フライトコントローラーを自作してみる。~その8~

いよいよフライトコントローラーの基板に部品を実装したいと思います。

まず実装前の基板はこれです。PCBgogoで製作して入着済。

約500円で10枚作れるPCBgogoの基板

そしてメタルマスクも購入済。こっちは基板よりも高くて約¥1000します。
画用紙をレーザーカットして代用できないかとも思いますが、初めてのリフローなので確実な方でやってみます。

実装前の準備として部品を紙の上に並べていきました。コンデンサの様に何も書いていない部品もあるので手をひっかけてバラケると大変なことになります。なので紙はテープで机に貼り付けています。

そして板の上に不要な基板の切れ端を貼り付けて固定治具にします。
まずは部品が少ない裏面(機体に積んだ時に下側にくる面)から実装する事にしました。

その上からメタルマスクを貼り付けて・・・

慎重に位置合わせ・・

マスクの上からクリームはんだを塗っていきます。

プラスチック板の切れ端でスリコミ スリコミ・・・

マスクを剥がすとこんな感じでクリームハンダが載っています。
まあ大丈夫そうです。

そして1個ずつピンセットで部品を置いていった後の写真。
この時には気づいていませんが左下のスイッチングレギュレーターICの位置がずれていて、リフロー後に気づく事になります。

ではいよいよオーブントースター(改)リフロー炉に投入。
不要基板に温度計のセンサーを貼り付けて横に置き、温度を見ながらやります。

スタート!
そして リフロー中・・・

よし終わった・・・

大体良いのですが、先程書いた通りレギュレーターICがずれていたのでポロッと落ちてしまいました。これは後ほど手ハンダで取り付けます。

またよく見るとOSD用ICのリードにブリッジがあります。なにか条件が良くなかったのでしょうね。クリームハンダが厚すぎたのかな?
これもはんだゴテで除去します。

ちょっとピンボケですがMAX7456のリード2か所にブリッジが見られます。

ハンダブリッジとレギュレータずれ以外、見た感じは良さそうです。

では表面側の実装に取り掛かります。
ところで表面にクリームハンダを塗る際、裏面には既に部品がついているので先程と同じ方法だと基板が浮いてしまいメタルマスクと基板が密着できない事に気づきました。
そこでMDFをレーザーで切り、部品のない四隅を支える治具を作成しました。このままだと基板厚の分MDFより高くなるので厚みが基板とほぼ同じ1.6mmの段ボールを見つけてきて基板の周りに置く事で全体が面一になりました。

1.6mm厚の段ボールに窓を開けてこの上に載せると全体が同じ高さになるのです。

あとは先程同様クリームハンダを塗って部品を載せました。

SHコネクタやタクトスイッチが溶けないか心配

リフローの時、実装済みの裏面から部品が落ちるとまずいのでアルミ箔で熱を遮ってみました(効果の程は判りませんがとりあえず大丈夫でした)。

リフロー完了

コネクタやスイッチが溶けないか心配していましたが無事みたいです。
でもやっぱりマイコンのリードにブリッジがありますね。何がいけないんだろう。
なお表面の過熱により裏面のブリッジが直っていないかと期待しましたが変化ありませんでした。 まとめてはんだゴテで除去します。

リフロー×ブリッジでググると、クリームハンダがそもそもブリッジしている場合は当然として、高温時間が長い場合も狭い隙間にハンダを吸い上げてしまう様です。毛細管現象みたいなものですかね。
今回のはリードの少し上でブリッジしているので高温長すぎの方かもしれません。

何はともあれ、基板に部品がつきました。
次は動作を確認していきたいと思います。