トイレ改造。一体型便器に市販の温水洗浄便座を無理やり取り付ける。

※今回トイレの話題という事で、若干汚い画像も掲載しており、気になる方はこの記事はスキップしてくださいませ。

トイレ故障

先日トイレの便座が温まらなくなりました。
夏の間は便座ヒーターをOFFにしていましたが、最近肌寒くなってきてONにしたところで故障に気づいたのです。
ヒーターをONにすると一旦座っていられない程の熱さになったと思ったらその後は冷たいままになっています。
恐らく温度制御が上手くいかなくなり、ヒーターがガンガンに温めてしまい断線したのではないかと想像しています。(だとすると燃えなくてよかったな)

遡ること9年前、我が家を中古住宅として購入した際にトイレをリフォームしました。
当時タンクレスという便器を進められたのですが、これだと便座ヒーターや洗浄機能が故障した場合にホームセンターで売っている様な温水洗浄便座には交換できず、便器を丸ごと交換しなければならないという事だったので却下しました。
不動産会社(経由でリフォーム業者)にはいざという時に市販の便座を装着できるタイプにしてくれと要求した結果が現在使用している便器なのです。

LIXIL DT-Z151U

ところが、そんな会話をして取り付けた便器なのですが、見た感じからは本当に交換できるのかなーという不安はありながらも9年経過し、今回現実に故障したのです。
そこでまずはメーカー(LIXIL)に電話して市販の便座に交換できるか聞いてみたところ、懸念通り「無理」との回答でした。
正直「やっぱりか」という感想ですが、今さら不動産屋にクレームを出して「言った/言わない」のバトルをするのも疲れるし、とりあえずはメーカーに修理に来てもらう依頼をしました。

翌日修理担当者に調べてもらったところ、便座ヒーターはやはり断線しており交換が必要、また制御基板も壊れていて交換が必要、更に蓋をゆっくり閉める為のダンパーも弱っているので変えた方が良い、という事で「合計5万3千円必要です」との回答。また「こういう場合、大抵の人は便器ごと交換します」という事で、そうすると最安でも15万円程度は必要との事でした。
そりゃすぐには決断できないですよね。現在悪い所だけを5万円以上かけて直しても、この先他の箇所も壊れてきそうなので、できれはこの選択肢は取りなくないです。
かといって10年毎に便器丸ごと交換するのはあんまりですよね(本当に一体型便器を使われている皆さんはそうしているのかな?)。
という事で、その日は現状に戻してもらい修理は終了としました。

そしてダメ元で悪あがきをしてみます。

やりたい事はタンクから便器に流す機能は残した上で、温水洗浄便座を市販品に交換する事。
これができるとホームセンターで売られている便座なら2~3万円程度で買えるし、10年後にまた壊れても便座だけ交換で済みます。

そこで誰かやってるだろうと思ってネットやYouTubeを調べたけど案外見つかりません。
また、たまたま水回りのプロ3人程とお会いする機会があったので相談してみたのですが、皆「無理」と言います。プロからしたら便器ごと交換したいでしょうけど、利害関係のないプロも「無理」といわれるのがちょっと不安なところ。

・・・しかしまあ怖いもの知らずの素人なので検討を進めていきます。

中を見て考える

まず便座及びタンクカバーを外すと下の写真の様になっていました(注意:このあたりから写真が汚らしくなってきます・・・)。

タンクユニットと温水洗浄ユニットを分離できそうな構造ですね。ここを分離してタンクユニットだけ残し、温水洗浄ユニットを取り去れば市販の便座を取り付けできそうです。
もう一つ気になるのは便座の取り付け穴の位置ですが、これも市販品と同じ規格に従っている様なので自分の中では「できる」という確信になってきました。

作業開始!

まずホームセンターに出向いて市販の便座を物色します。
購入したのはPanasonicの型落ち品で、税込み1万6千500円。失敗する可能性もあるのでなるべく安いのを購入しました。
これで済めば御の字というものです。

ホームセンターで購入した温水洗浄便座(の取説)。

では家に持ち帰り作業に取り掛かります。
まず温水洗浄ユニットに水を供給するホースを外します。ここの分岐には電磁バルブらしき部品が付いており、ホースを抜いても水が飛び出す事はありませんでした。でも念のためホースの先端を水受け部分内に収めておく事で、もし漏れ出した場合でも便器に流れていく様にします。


次に基板に刺さっている配線類を抜いた後、この2個のネジを外せば温水洗浄ユニットが前にボコッとスライドして取り外せました。

更に温水洗浄ユニットを取り付けてあった上下機構部品を取り外します。

基板も外して・・・

これでタンクユニットだけが残った状態ですが、タンクユニットが市販便座を取り付けるべき穴も占有しているので、赤枠の出っ張り部分を切り落とします。

因みに便器の上物を全部取り除いたのがこの写真。
壁に近い側の両端の穴がタンクユニットの固定穴。手前の2個の穴もタンクユニットに接続していましたが、ここをフリーにして市販の温水洗浄便座を取り付けます。
なおこの便座取り付け穴の間隔は140mmで通常の便座と同じ寸法です。

では不要なデッパリをノコギリで切ります。(しかし切りづらかったのでジグソーに変えたら一撃で切り落とし完了。)
これでもう後には引けません。

以上で取付穴がフリーになったので、ここに市販の便座を取り付けました。

が、ここで問題が発覚。今まで使用していた止水栓がホースとはネジで固定するタイプではなく、Oリングで密閉した継手を差し込んでプラスチックのカバーで固定するタイプでした。
たぶんLIXIL専用なのでしょう。

今まで使用していた止水栓。

下の写真が今回購入した温水洗浄便座に付属の分岐管。通常のネジで固定するタイプなのでLIXILタイプから分岐ができません。
こんなところに落とし穴があったとは。

この分岐を取り付けたいが型が合わない。

これは困りましたね。こういう場合はいつもO氏に相談します(レーザー加工機の排気用換気扇を取り付けるときにお世話になったあのO氏です。彼はリフォーム業も行っているのです)。
すると「ちょうど合う止水栓がいっぱい余ってるからやるよ」とのお言葉。頂いた止水栓だと一旦フツーのネジ固定タイプの出口があり、そこからLIXILタイプの継手に変換する構造なので、これなら分岐管を取り付けられます。
因みにネットで調べるとこの止水栓単体では2千8百円程する様です。

止水栓を交換して分岐できました。
写真で上方向に行くホースが温水洗浄便座に、右に行くホースがタンクにつながります。

以上でタンクにも市販便座にも水を供給できたので一通りの機能は実現でき、見た目を気にしなければ使用できる状態になりました。

ただし、タンクの中身がむき出しのままという訳にはいきませんよね。
今まで付いていたタンクカバーのままでは新しい便座に干渉して取り付けられません。
そこで下図の赤線あたりで切り取って取り付けたいと思います。

またジグソーで切り取ってタンクに被せたところ。。。
緑色の養生テープの下がガバッと開いています。
この開口部はこれから塞ぎますが、だいぶ形になってきましたね。

開口部を塞ぐフタの図をJw-cadで書き、試しに段ボールをレーザーカットし、納得のいく形になったところで手持ちのアクリル板をカットしました。
白色が本体の色とだいぶ違うのは後で考えるとして、裏からグルーガンでくっつけ、表側の合わせ目をプラスチック用パテで埋めました。

完成

開口部も塞がったので一旦完成とします。写真で見ると目立ちませんが、タンクカバーの下の部分が白すぎるので塗装しようかと考えています(でもたぶんやらないです)。


最近の便器って・・・

繰り返してしまいますが、最近の一体型便器は温水洗浄部分が壊れるだけで全体交換ってあんまりですよね。なんだかメーカーおよびリフォーム業界の思うツボな気がします。
陶器やタンクの部分はそう簡単には壊れないので、多くは温水洗浄部分が壊れただけで皆さん丸ごと交換されているのでしょうか?
今回、便器ごと交換すると15万円以上するところ、市販の温水洗浄便座を取り付けることで1/10程度の費用で済みました(まあこの後何か問題が出るかもしれませんが)。

しかしこれまで色々な物を修理したり改造したりしてきましたが、まさかトイレをやるとは・・・

注意:これを見て同様の作業をされ、もし失敗しても責任は持てません。

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