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LEDシーリングライトの常夜灯を修理

常夜灯(寝るとき点けておくオレンジ色の明かり)が点かなくなったLEDシーリングライトを修理しました。
全く点かない訳ではなく、最初は点くのに数秒後チラチラと点滅を始め、やがて消えてしまうのです。その後はOFF/ONを繰り返しても点かず、暫く放置すればまた最初だけは点く様になります。
何となくですが、冷えていると点いて温まると消えてしまう様に感じます(LEDってこんな壊れ方するのかな?)。

今回対象の照明とはこういうヤツです。NEC製HLDZE1462。

まず準備として机の上で電源を入れる為にこういうのを作りました。

そして天井から外してきて内部の金属カバーも外すと基板が見えてきました。

常夜灯はこの四角い部分。赤外線リモコン受講部と一緒になっています。

この四角いカバーは爪を押さえると外れます。そして裏から基板を固定しているネジ2本を外すと緑色の赤外線基板と白色の常夜灯基板の2枚が出てきました。
用途毎に基板がスッパリ分かれていますね。

常夜灯基板は片面配線のシンプルな基板です。

部品を載せていないパターンを無視すると、下図の様なLEDと10KΩの抵抗が並列に繋がっているだけ。
でも10KΩは何の為でしょう?最初は電流制限の直列抵抗かと思いましたが並列なんですよね。


黒/白線から基板に電流を流しても点きませんでした。LED自体が壊れているのか?
しかし基板からLEDを外し、リードをはんだ付けして通電すると・・・点きますね。

LED自体は生きているっぽいです。でもさっき黒/白線から通電しても点かなかった理由がわかりません。LEDのハンダ付け不良?

念のため本体側の確認として適当なLEDと10KΩ抵抗を並列にしてシーリングライトに接続してみました。すると正常に点灯します。
なおここのコネクタはTINYドローンでお馴染みのPHコネクタでした。

では問題のLEDに戻り、リード線を経由して基板に繋いでみます・・・点きますね。

では元通り基板に付け直してみます。

すると正常に点きました。やっぱりハンダ付け不良だったのかな?

では元に戻します。天井に取り付けて一安心・・・

・・と思ったら30分程使っているとまた点滅を始め、その内消えてしまいました。
直っていないのか・・・

もう一度LEDを外してリード線をはんだ付けしました。
そしてリード線を曲げようとして少し力を加えたとたん・・・真っ二つ。

LEDにクラックが入って割れかけていたため不安定だったのだと思います。

こうなると交換しかありません。手持ちの中から外形が近いLEDを持ってきました。

実は割れてしまう前に並べて撮影していました。
左がシーリングライトに入っていた物。右が手持ちのLED。手持ちの方が僅かに外形が大きいですが、頑張れば取り付けられそうです。なお発光色はどちらも似ていて電球っぽい色です。

新しいLEDを基板に取り付けました。動作はOKですね。
茶色になったフラックスはこの後ふき取りました。

再び天井に取り付けて数時間点灯し続けましたが今のところ消えずに点いています。

という事で、LEDが壊れかけていたというのが結論です。

電子負荷 PLZ72W ~その2~

ジャンクで貰った電子負荷のPLZ72W。先日の投稿でA設定側が動作しない旨を書きました
とりあえずはB側が使えれば望みの用途には使えるのですが、気になるので再びケースを開けてイジっているといつの間にか直ってしまいました

たぶんですが、電流値を決める多回転ボリュームが狭い所にあるので、どこかに接触していたのではないかと思います。電源スイッチを修理する時に前面パネルと共にボリュームも外したので、その時にやらかしたのかと。

ボリュームの取り付け角度によっては周囲の部品に当たるのです。
念のため、もう一度ボリュームを外して安心な角度で取り付け直しました。

A/B両方が正常になると電子負荷内部の発振器で負荷電流を交互に切替える事ができるので電源の追従性等も確認できます。

ためしに10V電源から5Ω抵抗を経由して1A⇔0.1Aを切替えた電圧を測定してみました。

予定通り9.5Vと5Vを交互に繰り返す波形が出てきます。
なおA/Bの保持時間を右下のツマミで変更できるので周波数やデューティーを設定できます。

ばっちりですね。次に電源を作るときには活用しようと思います。

電子負荷

息子がとある所からジャンクの電子負荷を貰ってきました(でかした!)。
電子負荷というのは電圧を入れてやると一定の電流が流れ続ける装置で、電源やバッテリーの動作を確認するのに便利なのです。

以前DC-DCコンバーターをいじくっていた時に電子負荷があったらいいなーとは思っていましたが、そう度々使う物でもなく、その時はセメント抵抗を並べて負荷にしていました。

で、今回入手したのはこれです。菊水電子のPLZ 72W。70Wまで喰わせる事ができます。
また設定電流をA/Bの2種類準備しておいて、手動及び内部発振器により交互切替えができる様です。

ではプラグをコンセントに挿し込んで電源スイッチを入れてみます。
・・・が、電源入りません。ち~~ん。
まあジャンクですからね。

とにかく開けてみました。

AC100V入力を辿っていくと一方は直接トランスに、もう一方はガラス管ヒューズを経由して前面パネルの電源スイッチに繋がっています。

という事で、一番怪しいヒューズをチェック・・・切れてないですねぇ。
この状態で電源を繋いだところ、電源スイッチまでは100Vが来ていますが、スイッチONにしてもその先には来ません。どうやらスイッチの問題みたいです。

このスイッチは3接点×2回路のスライドスイッチで、2回路を並列に接続してあります。
しかし2回路共接触不良になるのかな?
そこで暫定的にスイッチの接点をジャンパーで繋ぐと電源が入りました。やっぱりスイッチの異常ですね。

ではフロントパネルを外してスイッチを取り外してみます。テスターの抵抗レンジで測るとやはりON側が導通しません。
ならばスイッチをバラして接点を磨こうかと思いましたが、よく見るとこのスイッチは上下が完全に対象です。
今までOFF側の接点には何も配線されていませんがスイッチOFF時に抵抗レンジで測ると正常に導通しています。
という事は上下逆にしてやれば今まで使っていなかった方の接点をON側に使えそうです。・・・という事でスイッチを上下反転して配線し直したところ電源が入る様になりました


では安定化電源に繋いで動作させてみましょう。
電源はこの時購入したPAB70-1A(こちらも菊水電子製)です。

動作させた結果、負荷電流をA/Bの2種類設定できる内のA側は故障している様で、設定ツマミを回しても0Aのまま上がりません。
しかしB側はツマミの回転に応じて電流が上がっていき、安定化電源の電流表示とほぼ一致しています。B側は使えそうですね。

ダウンロードした取説を見ると次の様なブロック図が載っています。A側が動作しないのは中央付近の「アナログスイッチ」か「定電流/定抵抗切替回路」あたりが怪しいですが、とりあえずB側が使えれば欲しかった機能は使えるので、今回はここまでにしておきます。

CBF125T タコメーター故障&作成 ~その3 また壊れて修理~

ウチのバイク、中国は新大州本田製CBF125Tで、昨年タコメーターが壊れてステッピングモーターで作り直したのですが、先日猛暑日に走っていたら止まってしまいました。

これエンジン掛けてない状態です。

記録を見返すと最初にタコメーターが壊れたのが昨年の日本一周で東北町を走っていた頃、8月26日だったので丁度1年前ですね。その後ツーリングから帰り、11月にステッピングモーター化して使っていました。

バラして原因を調べる。

うーん1年で故障かぁ。とにかく開けてみます。

バイクから外してきて・・・


これが基板。Arduino-NANOを載せています。

半固定抵抗は以前液晶表示にした名残り

原因を調べる

電源に12Vを入れてみました。しかしArduino-NANOのLEDが点きません。
VIN端子まで12Vは来ていますが5V端子からは出てこないですね。
ソケットから外して裏を見ると・・・

コンデンサが弾けてパターンを切った様です。

コンデンサが弾け飛んでいて、その下を通っていたVIN配線パターンも切ってしまった様です。これではマイコンに電源が入りません。
猛暑に耐えられなかったんでしょうね。ケースの中で風も当たらないし・・確かに厳しい条件だったと思います。
またArduino-NANOと言っていますが中国製の互換品なのでどんなコンデンサを使っていたのかも分かりません。

ところでこのコンデンサ、VINとGNDとの間にありますが回路図には見当たりません。
レギュレーターへの入力なら普通は最短位置にコンデンサを付けますが・・回路図の抜けなのか互換品が気を利かせたのか?
値が分からないので手持ちにあった10μF/35Vのチップコンを取り付けました。
(安心の村田製作所製です。→https://akizukidenshi.com/catalog/g/g113161/
また切れた配線は前後のレジストを剥がしてメッキ線で接続し直しました。

これで動作は正常に戻ったのですが、よく見たらとなりのダイオードのモールドにもヒビ入ってますね。まぁ動作はしているのでヨシ!としましょう。

追記(2024-09-01):
ArduinoNANOに入れる電源電圧を下げる目的で、12V電源にシリコンダイオードを2本直列に入れてみました。多少は負担が減る筈。
更に2~3本入れるかツェナーダイオードで5V程落とせばもっと安心かもしれません。

ついでにソフトを見直す。

外したついでに今まで気になっていた下記の部分についてソフトを見直します。

  • まだ揺れが大きい。特にアクセルを開けた状態。
  • 長時間走っていると(恐らくモータが脱調して)指針がずれている。

という事でステップ時間を延ばし、移動平均フィルタのサイズも倍に増やしました。
また上昇/下降の変化点では1回休みの処理を入れてみました。

スケッチ→ https://www.hoihoido.com/data/tachometerX27_4.zip

取り付けて走ってみると・・・揺れはだいぶ納まった(まだ少しある)様です。
脱調の有無は長距離を走らないとわからないですが、揺れが減った時点で少なくともマシになっているものと期待しています。

レンズ(老眼鏡)の度数を測る。

私は乱視メガネを使用しているのですが、近ごろは老眼も進んできてパソコンの画面を見るのが辛くなってきました。そこで数年前から写真の様な跳ね上げ式の老眼鏡を使用しています。
これは以前ダイソーで購入したものです。

ところがこれ、レンズの付け根にヒビが入り右目側のみレンズが傾いてしまい、今はテープで固定しています。
なので買い替えようとしてダイソーに行きましたが、現在は売られていない様なのです。

そこでAmazonで調べたところ、同様の物が千数百円で売られていました。
ならばこれを買おうと思ったのですが、今使っているレンズの度数が分からなくなりました。

という事で測定してみようと思います。

老眼鏡は凸レンズなので平行光線を入れて焦点を結ぶ距離を測ればなんとかなる筈。

手持ちのリニアガイドにレーザーダイオードを貼り付けて平行移動できる様にします。

このレーザー光の前にレンズを置き、その先に立てた板にスポットを当てます。

そしてレーザーを左右に振って板に当たるスポットの移動具合を見ます。焦点が合っているとスポットが移動しない筈ですよね。
ざっと下図の様な感じ。。


板までの距離を変更しながらスポットが振れなくなる位置を見つけました。
これでレンズと板の距離を測ると970mmとなりました。ほぼ1mですね。

後で気付いたのですが、こんな面倒な事をしなくても直射日光を通して焦点を探す方が手っ取り早かったと思います。

焦点距離と度数の関係

ネットで調べたところ度数はディオプターという値(単位はD)で、焦点距離Fの逆数だそうです。
D=1/F
という事はレンズの焦点距離が1mだったので度数は1.0度となります。

なお本を読む時はPCモニターよりも近い距離で読むのでもう少し度の強いメガネを使っています。適当に2.0度のレンズを持ってきて同様に測定すると焦点距離は500mmになっていました。確かにD=2ですね。

という事で現在使用しているレンズは1.0度だと判ったのでAmazonで購入しました。

いい感じですね。長持ちしてくれると良いですが。

WordPressの更新を失敗して暫くブログが停止していた件

このブログはレンタルサーバー上でWordPressを使って動作しています。

このWordPress、暫く更新をサボっていて管理画面には新バージョンに更新せよという旨のボタンが出たままだったので、そろそろやろうと思い立ちました。

正常であれば管理画面上の更新ボタンを押せば僅かな時間で終了します。が、初期の頃このボタンを押したら立ち上がらなくなって苦労した事があるんですよね。でもそれ以後の更新は大体すんなりと終わっていたんです。
しかし今回またハマッたので備忘録として書いておきます。

更新開始

まず最低限のバックアップを取って管理画面の「更新」ボタンをポチッと・・・
すると下記の様なダウンロード中を示す表示が出て・・・そのまま止まってしまい変化ありません(´;ω;`)

更新を失敗すると、その後やり直しても15分程度は「別の更新が現在進行中です」というメッセージが出て再実行できなくなります。なので時間を待って何度か試しましたが同じでした。
なおこの時点ではブラウザーからアクセスすれば普通にブログが見えていたので、後戻りできない状態になる前には止まってくれている様です。

PHPのタイムアウト設定を増やしてみる。

色々ググってみるとPHPのタイムアウト時間設定を増やせば良いという情報がありました。PHPとはWebサーバー上で動作するプログラミング言語で、WordPressもPHPで書かれています。
タイムアウト時間等の初期設定はレンタルサーバー会社が管理していますが、自分のディレクトリにphp.iniファイルを置けば上書きできる仕様になっています。そこで下の様な1行だけのphp.iniファイルを作ってFTPでアップロードしました(元々90秒なのを5分に伸ばす意味です)。

max_execution_time = 300

念のため反映できている事を確認(簡単なPHPスクリプトを作り、その中でphpinfo()関数を実行する)した上で再度更新にトライしましたが・・・まだダメでした。

PHPのメモリーリミット設定を増やしたところ・・・

更に調べていくとPHPのメモリー上限に引っかかる場合もあるとの事。そこで先のファイルに次の行も加えてみました(こちらは128Mを256Mに増やしています)。

memory_limit = 256M

これでまたトライ・・・ダメですねぇ。と思ってもう一度実行をしたら先に進みました!!
(この変更が効いたのかどうかは不明)

・・・が、しばらく見ていると、今度は下記の所まで進んで止まってしまいました・・ううっ!!

今回はブラウザーからブログにアクセスしてもメンテナンス中のままになっています。これはヤバい。

プラグインが悪さしているらしい

何度かやっているとメンテナンス中の表示も出ずに何やらエラー表示が出ててくる様になりました。
うーんんん、ヤバイです(汗)。

いや、落ち着け。。。こういう時WordPressから自分宛にメールが届く様になっています。そのメールを開くとプラグインのGutenbergが悪さをしているとの記載が。またこのメールにはリカバリーモードで管理画面にログインする為のリンクも書かれています。

そこでリカバリーモードのリンクを押してみると、やはりGutenbergがダメというメッセージが表示され、管理画面には入れません。よってこのプラグインを止める必要がありますが管理画面が開けないと普通の方法でプラグインの無効化ができません。
因みにGutenbergというプラグインはブログを編集する時のエディターで普段から使っているものです。

FTPを使ってGutenbergプラグインを無効化して復活

そこでまたググります。するとFTPでプラグインを停止させる方法を書かれたサイトがありました(感謝!!)→https://webst8.com/blog/wordpress-plugin-off/
これによると「blogアドレス/wp-content/plugins/プラグイン名」というディレクトリの名前を変更すれば無効化できる様でなので、その通りにして無効化したところリカバリーモードで管理画面に入る事が出来ました。この時点でブラウザーからのブログアクセスも復活しています。

あとはリカバリーモードを解除し、Gutenbergも再インストールして正常に戻ったかに見えましたが、本ページを書いているところで画像をアップロードできなくなっている事に気づきました。一応バージョンは6.6.1に変っていますが、やっぱり何か変ですね。

更新途中で止まって中途半端になっているのかもしれません。そこで管理画面のUpdetsメニューにある「バージョン6.6.1-jaを再インストール」を押してみたところ、今度は一発で再インストールが終わり、画像アップロードも可能となって現在に至っています。

なぜこうなった?

今回なぜハマッたのか不明点が多いです。まずダウンロード中に停止していた件はPHPのタイムアウト時間又はメモリー上限が影響していたのでしょうか?
またプラグインGutenbergが悪さをしていたのは何故なのか?更新直前に全てのプラグインを最新化したつもりだったのですが復旧時には更に新しいバージョンがあったので新しい方を入れました。WordPressのバージョンに合わせてGutenbergもアップデートが必要という事なのかな?

何はともあれ現時点は正常に動作している様です。ざっと1~2時間程度ブログが停止していました。

カブ系エンジン用自動進角CDI ~その4~ 作り方ページ開設

先日投稿した カブ系エンジン用自動進角CDI ~その3~ シリアル接続で小型化する。を元にしたCDIの作り方ページを開設しました。→カブ系エンジン用自動進角CDIの作り方

今回は敷居を低くするため、切削で作る方式ではなくユニバーサル基板にArduinoNANOを載せる方式で作っています。

またこれまでは下の様なハードウェア的なコントローラーで動作を設定していましたが、これも同時に作ると結構大変なので第一段階はPCで設定する事にしています。

PCからの設定は、当初はコントローラーがやり取りする情報をArduinoIDEのシリアルモニターから手入力する方式で記載していましたが、これだと結構面倒です。

そこで急遽C#でGUIなツールを作成しました。このツールはコントローラーのエミュレータになっていて、ハードウェアコントローラーと同じ操作をPC上で実行できます。

ご興味がある方は下記リンクをご参照ください。

また、これまで投稿したCDI製作関係へのリンクです。

CBF125T エンジン異音の修理

新大州本田製のCBF125Tというバイク、昨年のロングツーリングで東北を走っていた頃からエンジンがガシャガシャといった音を出す様になっており、ずっと気になっていたので今回修理しました。

エンジン異音の症状

ガシャガシャ音とはおよそ次の様な症状です。

  • アイドリングの時はあまり気にならない。
  • 4~5000回転あたりからガリガリと鳴りだし、7000回転程度まで回すと納まる(他の音に消されて気にならないだけかも)。
  • シフトアップの時に一瞬クラッチを切ってアクセルを緩めた瞬間、ガガッという大きな音がする。

確信はないのですがカムチェーンまわりが原因かなーと思います。
カムチェーンまわりを調べるなら左側クランクケースカバーを開ける必要があり、そうするとガスケットの交換が必要になる可能性大です。
できるだけガスケットを入手してからカバーを開けたいですよね。でもこのCBF125Tというバイク、中国製の為パーツリストやサービスマニュアルが手に入りません。

(別車種の)パーツリスト入手

という事で色々調べていたらホンダにはCRF125Fというバイクがあり、このエンジンがCBF125Tとソックリである事に気づきました。
見た感じではキックペダルの有無程度の違いしかなさそうです。

CRF125F

CBF125T

CRF125Fは公道走行不可なオフロードバイクですが、日本国内で販売されているのでパーツリストやサービスマニュアルは出回っています。
という事で早速ヤフオクでパーツリストを落札しました。
なおCRF125Fは年式毎に少しづつ変ってきており2019年以降だとCBF125T同様インジェクションになっています。なのでできれば最新のパーツリストが欲しい所ですが、安かった初代の物を入手しました。

このパーツリストによるとエンジン左側カバーのガスケットの部品番号は11395-KWS-900となっているのでこの型番で注文しました。

カムチェーンテンショナーのプッシュロッド清掃

ガスケット到着までの間にカムチェーンテンショナーのプッシュロッドを調べてみます。
プッシュロッドとは下図8番の部品で、クランクケース内で上下にスライドする様に取り付けられています。そしてプッシュロッド上側にある9番の樹脂パーツが3番のアームを押す事で4番のプーリーをカムチェーンに押し付けてチェーンにテンションを与えるのです。
なおプッシュロッドの中には下方向にのみエンジンオイルを通す逆止弁が入っており、この働きでプッシュロッドが一旦上に上がると下側には下がりにくい構造になっています。
このプッシュロッドの動きが悪いとカムチェーンにテンションを与えられないのでチェーンがどこかに擦れて異音の原因となるのです。

このプッシュロッドですが、本来はクランクケースカバーを開けなくても13番のボルトを外すとエンジンの下に落ちてくる構造なのですが、私のバイクは落ちてきません。針金で引っ掛けて抜こうとしましたが取り出せませんでした。
ここの動きが悪くなっているのが原因かもしれませんね・・・

プッシュロッドを抜き出せませんが、左側のクランクケースカバーを開ければ中から押し出せる筈です。ガスケットはまだ到着していませんが開けてみましょう。

・・・という事で開けました。
(先にジェネレーターから出ている配線を抜いておいた方が作業し易いです)

案の定ガスケットは破れたので交換決定ですね。

このフライホイールを外せばプッシュロッドやカムチェーンが見える筈。

その為にはまずナットを外しました(固かった・・・)。

そして息子が持っていたカブ用のフライホイールプーラーを持ってきたのですが形が合いません。
まず外側のおねじ/めねじがカブとは逆です。これは適合するプーラーを買うしかなさそうですね。

amazonにて外形30mm x ピッチ1.5mmのプーラーを購入。二日後に到着したのでフライホイールを外します(これまたメチャクチャ固かった)。

フライホイールが外せました。プッシュロッドの先が見えているので、ここを指で押せば下側に抜ける筈です。

プッシュロッドを下に押し出すとゴリッという感触と共に下の穴から落ちてきました。表面に金属カスみたいなのが付いていて滑りが悪くなっていた様です。掃除して動きが良くなったことを確認して組付け直しました。

異音の原因はこれだけかもしれませんがカムチェーンを押しているプーリーが摩耗しているのが見えているのでこれらも交換する事にします。再びCRF125Fのパーツリストからプーリー類とプッシュロッド先端の樹脂部品を注文しました。なおこの時点での走行距離は約2万5千Kmなのでカムチェーンまでは大丈夫かなとは思いましたが念のため一緒に注文しておきます。

その後、先に注文していたガスケットが到着しました。型番11395-KWS-900を指定して注文しましたが入着したのは11395-KWS-901。何か変更になっているんでしょうけど見た目ではわかりません。

なおこの時点でプーリー類とカムチェーンはまだ到着していません。ガスケットと同じ納期だとすると1週間ぐらい必要なので、その前に一旦組み立てて調子を見たいと思います。
・・・が、1枚しかないガスケットを使って破ってしまったら困ります。

という事で仮のガスケットを作ります。
純正ガスケットをスキャナーで読み込み、jw-cadに取り込んでサイズを合わせた上でなぞります。

このデーターをレーザー加工機に送ってカットしました。材料はガスケット(実測0.48mm)に近い厚みの画用紙を使用。
こういう厚紙でガスケットを作るのは昔から聞く方法ですが耐久性はどうなのかな?
今回のデータをjw-cadとdxf形式で上げておきます→ 11395-KWS-901.zip

白い方が今回つくったガスケット。青い方は純正。

そして一旦組み立て、オイルも入れて走ってみました。
かなり良くなっている感じ。でもまだシフト時のガガッというのは残っていますね。
やはりカムチェーン周りを交換しましょう。

カムチェーン周りのパーツ交換

そして数日後、部品が到着しました。プーリー類3個、プッシュロッドの先っちょ、そしてカムチェーン。
では交換していきます。

最初にエンジンオイルを抜きます。数日前に入れた新しいオイルが勿体ないので再利用できる様、オイル受け皿を綺麗に洗って乾かしておきました。抜いたオイルはフィルターで濾して保管しておきます。
あとは前回同様にばらしていき、カムチェーンとプーリー類を取り出しました。


まずカムチェーンの新旧比較。上側の白っぽい方が新品です。
これ、目で見る限り長さは全く変わっていませんね。やはり走行距離2万5千Kmだと大して伸びないんですね。でも折角買ったので新しい方を取り付けて古い方は保管しておきます。

そしてプーリーその1
右側が新品で左が使い古し。新品には中央の出っ張りみたいなのがありますが、使い古しの方にはなくなっています。これはどうなんでしょうね?サービスマニュアルがあれば使用限度とか書いてありそうですが。どちらにしても交換しておきます。

次、プーリーその2
使い古しはチェーンの形が刻み込まれてスプロケットみたいな形になっていますね。

そしてプーリーその3
これは激しく摩耗し金属部分が露出しています。

プーリーその3を違う角度から見た写真。
金属部分が露出というより殆ど金属だけですね。これがカムチェーンと擦れて異音がしていたんじゃないかな?そんな気がします。

最後にプッシュロッドの先っちょにある樹脂パーツ
使い古しにはアームに当たる部分に傷が入っています。これくらいは問題なさそうな気がしますが交換しておきます。

全て交換した写真・・・

今回は純正のガスケットを挟んでフタを閉めます。

因みに数日前に使った画用紙ガスケットは油漏れもせず、特に破れた様子もありませんでした。耐久性は分かりませんが短期間なら問題なさそうです。

全部元通りに組立て、先ほど抜いたオイルをフィルターで濾してまたエンジンに入れました(だって試しに100Kmほど走っただけなので勿体ないのです)。

走ってみる

そして乗ってみると・・・バッチリですね!!
異音は消えて快適に走れる様になっています。

今回購入した部品

最後に今回購入した部品一覧表を示しておきます(Rakuten市場のヒロチー商事というところで購入しました)。
カムチェーンは恐らく交換しなくても良かったと考えて、これを除くと¥3533円(送料別)ですね。

品名部品番号備考購入価格
ガスケット,L,クランクケースカバー11395-KWS-900・・901が入着¥795
チェン,カム(90L)(ダイドー)14401-KWB-601¥1,694
ヘッド カムチェーンテンショナーブッシュロッド14566-086-030¥164
ローラーCOMP, C,カムチェーンガイド14610-KYY-901¥957
ローラーCOMP,カムチェーンガイド14670-KYY-901¥935
ローラー,カムチェーンテンショナー14502-K28-911¥682
合計¥5,227

カブ系エンジン用自動進角CDI ~その3~ シリアル接続で小型化する。

カブ系エンジン用自動進角CDI自作の続きです。
先日の自動進角CDIですがサイズが大きくてカブに積み辛かったので小型化しました。
またコントローラーとの接続がパラレル接続だと線を伸ばし難かったので、シリアル接続に変更する事で扱いやすくします。

シリアル接続するにはコントローラ側にもマイコン(本体同様ATmega328p使用)を載せる必要がありますが、配線を伸ばせるとコントローラーをハンドル近くに設置してタコメーター代わりにも使えるのです。

回路図

まず本体側・・・
シリアル化によりコントローラーとの接続本数が減ってスッキリしています。

そしてコントローラー側。
こちらはマイコンを追加しています。また本体からケーブル経由で12Vを供給するので、コントローラー内に5Vを作り出すレギュレーターも載せています。
ケーブルを通す電源は5Vにしても良かったかな?LCDのバックライトに比較的大電流を流すのでレギュレーターを通す前の12Vを使ったんですが。。。

そして本体基板のパターンを設計。
なお図では両面基板ですが実際には片面基板に切削して表側(赤色)パターンはジャンパーで配線します。
シリアル接続にした事でコンパクトになり、ほぼ純正CDIと同じサイズにできました。
追記:前回はArduinoNANOの基板を載せていましたが今回はATmega328Pを直接実装したのでこれも小型化に効いていますね。

あ、レギュレーターの極性を間違っている!

基板はいつもの様にCNCで切削します。
ところで切削で使う刃物は以前からオリジナルマインドさんで売られている「土佐昌典VC」を使っていますが、だいぶ前から使っているので刃先が劣化して切り跡ががケバ立ってきました。
これ、最近オリジナルマインドのページで見つけられなかったので販売が終了したのかと思っていましたが実は探し切れていなかっただけで、またちゃんとあった事が判り、今回新たに購入しました(1本¥2980円。これ凄くイイんですがちょっとお高いんですよね)。

まあとにかく切削実行!・・・結果、下の写真の様に上下に2回切っていますが、下側は深さ0.15mmで切削したら深すぎたので上側の0.1mmでやり直しました。
使い古した刃物で0.1mmだと切れていない事があったので0.15mmにしたのですが、断線したところがあります。
やはり新しい刃物は切れ味が良く0.1mmでバッチリです。

今回は表面実装のマイコンを載せるのでピッチが細かく、また高圧部分もあるので短絡の心配を減らす為に不要パターンを手作業で剥がしました。

そして部品を搭載。レギュレーターの極性を間違っていた部分はパターンをカットしてジャンパーで修正しました。
その後ArduinoNANO用ブートローダーを書込み、そしてファームも書込みます。

部品搭載後の表側。
高圧用コンデンサは前回のと見た目が違いますが1μF,630Vの同等品です。
コントローラーとの接続用に4pinのXHコネクタを設けています。

そしてコントローラー側のパターンも作って・・・

切削!
こちらは実験的に不要銅箔もCNCで取り除いてみたところ、切削時間は大幅に伸びますが手作業で剥がすよりも楽です。刃物は半月刃を使っていました(土佐昌典VCは切れ幅が狭いし第一勿体ないので)。
切削直後はまだ細い銅箔が残っていますが、これは手作業で除去します。

そして実装(裏面)

本体に接続するケーブルは4芯接続なので古い電話線を使ってグルーガンで補強しています。
またコントローラーは前回と同じケース(MDF材で作成した)に収めています。
現状MDF材ですが、ずっと使うなら防水が必要ですね。

本体側は3Dプリントしたケースに収めます。
これも現状オープン状態ですが、十分にテストした後は樹脂で埋めて防水するつもり。

では前回と同じカブ(息子が50ccをボア/ストロークアップした107ccエンジン搭載車)に積んでみます。
CDI本体の小型化によりサイドカバーを閉めやすくなりました。

コントローラーは長めの4芯ケーブル(古い電話線)で接続。

ケーブルを1.5m程度に伸ばしたので見やすい場所にコントローラーを設置できる様になりました。

走った感触

点火部分はソフト、ハード共に前回から変わっていないので走った感触は前回のままです。

ファームウェア(Arduinoスケッチ)を掲載

試行錯誤の後が残ったままで汚いですが現状のファームウェアを掲載します。
マイコン(本体、コントローラー共)にはArduino NANOのブートローダーを書き込んだ上でこのスケッチを書いています。なのでもし追試される方はArduinoNANOをそのまま使う方が手っ取り早いかもしれません。

本体用→https://www.hoihoido.com/data/CDI-AC6.zip

コントローラー用→https://www.hoihoido.com/data/CDI-AC_Control.zip

なお前回の投稿ではコントローラーをパラレルで接続していました。今回の本体用ファームはシリアルコントローラー、パラレルコントローラー、どちらにも使用可能です(前回投稿の回路図で作ったCDIに書いても使える)。

回路図とファームウェアを使用される場合の注意

この回路図やファームウェアを参考にされる場合は事前に「免責・著作権・肖像権・リンク」のページを御一読願います(要は何か問題があっても責任持てませんよとか、自作するのは自由ですが販売とかを考えられるなら相談してねとか、そのあたりです)。

カブ系エンジン用自動進角CDI ~その2~ 107ccカブに積んでみる。

前回、自作の自動進角CDIを50ccカブに積んでみて効果が今ひとつ体感できなかった事を書きました。
その後、息子がもう一台ジャンクの50ccカブをボア、ストロークアップにより107cc化したので、そちらに積んでみたところ、効果が見られました。

107ccカブ(なお原付2種としてちゃんとナンバー取り直してます)
自動進角CDI

はっきり効果が見られたのは低速側です。
純正CDIの点火タミングは全回転域で上死点前27度(BTDC27°)に固定されているのに対し、自作CDIはアイドリング回転数付近は17°に設定しています。これにより、まずキックスタート時のケッチンが発生し難くなりました。また走り出しの加速もスムーズです。
一方高速側は最大37°程度にしてみましたが効果があるのか無いのか判りません。50cc程度なら急な上り坂で全開走行を試せるかもしれませんが107ccともなると公道で試す訳にいかず、多分サーキットとかシャーシダイナモで試さにゃハッキリしない気がします。

そして・・・

いずれにしても50cc用純正CDIよりは良くなるので107ccカブではこのCDIを使います。
という事でもうちょっと安心できる形にしたいと思います。現在の状態(上の写真)だと雨の日は心配ですもんね。

という事で純正CDIと同程度のサイズになる様、以下の点を踏まえて作り直そうと思います。
・ArduinoNANOを載せるのをやめてATmega328pを直接載せる。
・コントローラーとの接続をUARTに変更する事で、本体⇔コントローラー間の配線本数を減らす。
・最終的には樹脂で埋めて防水する。

では下記の基板パターンで試作してみます。まずは切削で基板を作る予定。
・・・なのですが切削用刃物がだいぶ劣化していて上手く削れなかったので刃物入荷待ちです。

まとめ

50ccエンジンだと効果が感じられなかったけど、107cc化したエンジンでは特に低回転側で効果がありました。
なお90ccカブの純正CDIが15°~28°の間で変化する様なので高回転側をあまり増やしても効果ないのかもしれません。実際はどうなんでしょうね?
どなたかこのCDIを試してみられますか?