フライトコントローラーを自作してみる。

ドローンレースの練習をしていると色々なところを壊します。
ほいほい堂本舗は貧乏性なのでできる限り修理して再利用したり、また可能なところは自作してみたくなります。

という事でフライトコントローラーを作ってみたいと思います。フライトコントローラーとは一言でいうとマルチローター系の機体を制御するマイコンボードです。固定翼の飛行機は構造的に自立安定して飛行しますが、これと違ってマルチローターは特に制御しなければ安定して飛び続けられません。そこでジャイロや加速度センサーで機体の姿勢を検出しどのモーターをどの程度のパワーで回すかを決めるのがフライトコントローラー(以下FCと略す)です。

自作フライトコントローラーの構想

近年の(ホビー系の)FCは殆どがSTマイクロエレクトロニクス製のSTM32Fxx マイコンが使われています。これにジャイロ/加速度センサーを載せるのですがマイコンとの接続はSPIやI2Cですし、モーターを回すためのドライバ(ラジコン界ではESCという)へはPWM(およびその変形)で信号を送るので、ほぼマイコン工作で作れそうです。

またソフトについては優秀なオープンソースのファームウェアが多数出ているのでこれらを用いることができます。

といっても、いきなりプリント基板を作る勇気はないのでまずはマイコンボードを使って動作を確認してみます。マイコンボードにはSTM32F411 Nucleo-64を使う予定。

STM32F411 Nucleo-64

全体像はこのブロック図の様に考えています。このうち水色で囲んだ部分をここではフライトコントローラー(FC)と呼ぶ事にします。

実用的にレースで使うにはこの他にOSD(On Screen Display:FPVの映像に諸々の情報をスーパーインポーズして表示する機能)も必要になりますが、まずは飛べる事を確認出来た後でこれらも試したいと思います(実はOSD用ICも入手済)。

Betaflightをビルドする。

ファームウェアはいつも使っているBetaFlightを書き込む予定ですが、その前にファームウェアをビルドする環境を作っておこうと思います。
BetaFlightのビルドはUNIX環境上で行うのが基本となっている様で、Windows上のWSL(Windows Subsystem for Linux)でも実行できます。詳細はBetaflight Wikiのこのページに説明されており、この通りにやれば構築できました。
手順通りに構築するとWSL環境内の~/Git/Betaflightというディテクトリ以下にファイル一式ができています。更に下には~/Git/betaflight/src/main/targetというディレクトリがあり、ここには下図の様に各種FC毎の設定があります。

このディレクトリ下に今回作るFC用として’HOIHOIF411’というディレクトリを作るのですが、まずは似たFCである’MATEKF411’の内容を丸コピーし、そこから変更していくことにします。

HOIHOIF411ディレクトリの中にはtarget.mk、target.h、target.cの3本のファイルがあります。ここら辺の詳しい説明資料が見つからないのですが、この3本のファイルを変更するとそれぞれのFC固有のファームウェアが出来上がる様です。で、いろいろ試行錯誤した結果のファイルを添付しておきます。→HOIHOIF411.tar.gz

targetディレクトリの設定ファイルができたらカレントディレクトリを
~/Git/Betaflight に設定し、ここで’make HOIHOIF411’とコマンドを実行すると ~/Git/Betaflight/binの下にファームウェアが出来上がります。このファイルをBetaflightConfiguratorのファームフラッシャーを使って書き込んでやる訳です。

ジャイロ/加速度センサー

当初ジャイロ/加速度センサーにはモーション・フライトシミュレーターで使ったので手元にあった MPU6050ボードを使ってみました。市販のFCは大抵SPIで接続できるセンサーを使っていますがMPU6050はI2C接続専用です。一応これもBetaflightにサポートされているっぽいのですが、しかし何故かうまく接続できません。mbedで書いたプログラムだとセンサー値を取れるのですがBetaflightのファームからは取れないのです。

MPU6050ボード

そうこうしている内にポチッていたMPU6500ボードが届いたのでこれをSPIで接すると問題なく接続できました。 名前が似ていてややこしいですがMPU6500はSPIで接続するタイプで市販のFCでも結構使われています。
どのみち最終的にはMPU6500を使うつもりなのでこれで行きます。

MPU6500ボード


回路図

こんな感じで行こうと思います。
NucleoボードはArduino互換ソケットが付いているので、なるべくこれを利用する事で、Arduino用シールド基板を使って配線し易い様にします。
なおOSDは後で追加予定です。

機体

動作確認用に、息子が作って今は使っていないこの機体に乗せてみます。

製作

まずはブレッドボードで動作を確認して・・・

大体動作したのでArduino用シールド基板上に回路を載せて・・・

機体に乗せてみます。

飛ばしてみる

で、飛ばしてみると・・・一応浮き上がるのですが斜めに振動して止まりません。
原因調査中ですが、市販のFCに載せ変えても同じ様に振動するのでFCの問題ではないのかもしれません。
この続きは後日・・・


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One thought on “フライトコントローラーを自作してみる。

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