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TIG溶接機 TIG 220P AC/DC を修理してみる。

息子がジモティーで見つけてきたTIG溶接機を買うというので、二人で運転を交代しながら3時間ほど車を走らせて引き取りに行きました。
機種は TIG 220P AC/DC。
中華製の少し古い溶接機ですがTIGモードとMMAモード(=手棒溶接)が使えます。

持ち帰って諸々の準備をしたのち電源を入れてみたところ、

MMAモード → 普通に動く
TIGモード → うんともすんとも言わない

という状態でした。
販売者は「自分は専ら手棒溶接で使っていた」と言っていたので、まあ確かにその通りなのですが、一応返品を申し出てみた・・・しかし結果はあっさり拒否。
という事で、修理にチャレンジしてみます。

症状を整理するとこんな感じ。

  • MMA(手棒溶接)モード
    7セグLEDに電流値表示あり
    アークも飛ぶ
    よって見た感じ正常そう
  • TIGモード
    7セグLEDにはスタート電流値のみ表示
    WELDING電流、BASE電流はダイヤルを回しても変化なし
    (これは異常なのか正しい動作かは正直よく分からない)
    トーチのスイッチを押してもアークが飛ばず、ガスも出ない(これが致命的)

こうなると一応ばらしてみるしかない。という事でフタを開けてみましたが、溶接機内部の全体像は写真を撮り忘れました。
構造は(想像混じりですが)ざっとこんな感じだと思います。

故障個所の特定

MMAモードでは正常っぽく動作するので、インバータ部、Hブリッジ部のあたりは生きていそう。
またMMAモードで電流値を変化させると表示基板に繋がる配線の電圧も一緒に変化しているので、表示基板から先も正常っぽいです。
となると怪しいのは制御基板ですね。基板を外して眺めてみましょう。

制御基板

  • 基板には14pinDIPのICが6個載っています。左から順に・・・
    LM324N  :オペアンプ
    CD4066BE :アナログスイッチ
    LM324N  :オペアンプ
    CD4081BE :ANDゲート
    CD4013BE :D-フリップフロップ
    CD40106BE :シュミットインバーター
  • 専用ICやマイコンは載っていないので「頑張れば直せる」可能性が上昇しました。
  • 基板上部のTO-220パッケージは12Vの3端子レギュレータで、ロジック系は概ね12V動作。
  • そこから9Vレギュレータを通して、電流設定用ボリューム等のアナログ系に供給している。

他にも抵抗やダイオードが沢山載っていて嫌になりそうです。

回路を追う

ぱっと見で分かるような異常は無いので地道に回路を追っていくしかなさそうですね。
いつもの様に「基板写真を撮る→裏面をPC上で反転→表裏を見比べながら回路図を書く」でやりますが、ICやボリュームの下の配線は見えないのでテスターで配線を当たる部分も多そうです。
なお基板は両面基板(二層基板)です。
いずれにしても全部を回路図にするのはあまりに大変なので動作的に怪しそうな所に絞って調査します。

基板の裏表(裏面は反転済)

特に調べたい箇所を書き出すとこんな感じ。。。

  • TIG / MMA 切替回路(X4まわり)
  • 各ボリュームの信号がどこへ行くか(特にRT5,6,7)
  • 7セグLED基板へ電流値を送っている部分(X7の2pin)
  • トーチのトリガーボタン信号の行き先(X2まわり)

そして書き出したのが下の図。
全体の1/2~2/3程度は書き出せたと思うが、間違いも多々あるはず。

安定化電源から電圧を入れてみる

ここまで来ると電源端子とか信号の流れもある程度見えてくるので安定化電源を用いて12Vレギュレータの入力に15V程度を印可し、各部の電圧と動作を確認します。

そこで明らかな異常を一つ発見→U4 の 1pin

本来、X2のトーチスイッチを押している間は12Ωのサーミスタを通してQ20のベースがほぼ0Vとなり、U4の1pinは L になるはずなのに、約7V 出ています。
Q20とU4のどちらが悪さしているかを確かめる為にQ20を外してみましたが、それでも7Vが加わっているのでU4から電圧が出てきている様ですね(入力端子なのに!)。
さらにU4を触ってみると、少し熱いです。

という事で、少なくともU4(CD40106BE)は壊れていると判断しました。
何か内部でショートしている気がします。

修理

他にも壊れている個所があるかもしれませんが、まずはU4を交換してみましょう。
CD40106Bを注文し、約1週間後に到着。今後を考えて ICソケットで装着しました。
(厚みが増してちょっとパネルに当たるけど気にしない)

動作確認

まずは先程と同様、安定化電源から電圧を加えてみます。
U4-1pin の電圧 → Q20が無いままの状態だと約0Vで正常ですね。
Q20もハンダ付けして問題なさそうなので、もう一度溶接機本体に組み付けてみましょう。

そして電源ON。
トーチスイッチON → ガスが出る。
アークもちゃんと飛ぶ。\(^O^)/

なお7セグLEDへのWELDING電流やBASE電流表示は、溶接動作中にそれぞれのタイミングで表示されていて、回路的に見ても多分これが正しい仕様なのだと思います。

パルスモードやPOST_TIME(終了後暫くガスを出す)機能もそれっぽく動作していますが、まあこの溶接機の本来の動作が全て把握できている訳ではないので使ってみて問題があれば、また調べましょう。

結果

今回の基板はマイコンや専用ICを使わず、全て汎用のオペアンプやロジックICで構成しているので、回路を追うのは大変でしたが部品は手に入りやすくて助かりました。

という事で無事TIG溶接ができるようになりました。
ACモードがあるのでアルミ溶接もやってみましたがそれっぽく溶接できています。
(溶接の腕はもっと磨く必要がありますが)

レーザー加工機不調 ~対策はしたけど謎あり~

先日Grbl(FluidNC)化したレーザー加工機、ある日使おうと思ったら上手く動作しなくなっていました。

3DP27_6

症状

加工機の電源を入れ、PCのソフト(LaserWeb4)から接続してホーミングする所までは今まで通りで正常でした。
次にジョギングでレーザーヘッドの位置を動かそうとしたら、左右には動きますが前後には手前方向にしか進みません。奥方向に進めようとしても手前に進んでしまうのです。

なんでなのか調べる

手前方向には特に異音もなく進むのでY軸モーター(及びその配線)は正常でしょう。
となるとモータードライバまわりを調べる必要があります。
このレーザー加工機のモータードライバはA4988モジュールを使っているのでDIR端子がHかLかで進む方向を決めておき、STEP信号にパルスを入れる度にステッピングモーターが1ステップ進む様になっています。
という事でY軸ドライバのDIR端子を見ると・・・Hレベルが3.3Vが出る筈のところ2.1Vしか出ていません。

念のためモータードライバをソケットから抜いてもHレベルは変わらず。またマイコン基板を加工機から外しブレッドボード上で動かしても変わりません。オシロスコープで見ても直流の2.1Vが出ています。
こりゃマイコンボードが壊れたんでしょうかね?
因みにY軸のDIR信号に使っている端子はGPIO0です。一方X軸ではGPIO14端子を使っており、こちらのHレベルは正常に3.3Vが出ています。

なおマイコンボードはAliexpressにて、3枚959円で購入したものにつき壊れる事もあるかもしれません。 ならば別の基板を持ってきてFluidNCのシステムを入れ、一通り設定を入力してブレッドボード上で動作させてみましょう・・・あれ?これも2.1Vですね。

念のため、Arduinoプログラム環境からGPIO0にHを出力させるだけのプログラムを実行すると、ちゃんと3.3Vが出ています。

なんでだぁ?

ESP32にはソフトウェア的に2.1Vを出す仕組みがあるんでしょうか?データーシートを見てもそんな機能は見つけられません。

対策

暫く悩んだのですが早く加工を進めたいのでY軸DIR信号をGPIO19に変更します。
FluidNCの設定を変更し、基板の配線も繋ぎ直しました。

これによりY軸DIR出力のHレベルは3.3Vとなり加工機のヘッドも正常に前後に動く様になりました。

で、なんで?

結局根本原因は何だったんでしょう?
実行するプログラム次第では正常電圧が出るのでESP32が壊れたという事ではない気がします。
しかしプログラムによってHレベルが下がる事ってあるんでしょうか?
オシロスコープでも見ましたがPWM的な動作をしてデューティのせいで下がって見える訳でもありませんでした。

どなたか分かる方、おられますか?

LEDシーリングライトの常夜灯を修理

常夜灯(寝るとき点けておくオレンジ色の明かり)が点かなくなったLEDシーリングライトを修理しました。
全く点かない訳ではなく、最初は点くのに数秒後チラチラと点滅を始め、やがて消えてしまうのです。その後はOFF/ONを繰り返しても点かず、暫く放置すればまた最初だけは点く様になります。
何となくですが、冷えていると点いて温まると消えてしまう様に感じます(LEDってこんな壊れ方するのかな?)。

今回対象の照明とはこういうヤツです。NEC製HLDZE1462。

まず準備として机の上で電源を入れる為にこういうのを作りました。

そして天井から外してきて内部の金属カバーも外すと基板が見えてきました。

常夜灯はこの四角い部分。赤外線リモコン受講部と一緒になっています。

この四角いカバーは爪を押さえると外れます。そして裏から基板を固定しているネジ2本を外すと緑色の赤外線基板と白色の常夜灯基板の2枚が出てきました。
用途毎に基板がスッパリ分かれていますね。

常夜灯基板は片面配線のシンプルな基板です。

部品を載せていないパターンを無視すると、下図の様なLEDと10KΩの抵抗が並列に繋がっているだけ。
でも10KΩは何の為でしょう?最初は電流制限の直列抵抗かと思いましたが並列なんですよね。


黒/白線から基板に電流を流しても点きませんでした。LED自体が壊れているのか?
しかし基板からLEDを外し、リードをはんだ付けして通電すると・・・点きますね。

LED自体は生きているっぽいです。でもさっき黒/白線から通電しても点かなかった理由がわかりません。LEDのハンダ付け不良?

念のため本体側の確認として適当なLEDと10KΩ抵抗を並列にしてシーリングライトに接続してみました。すると正常に点灯します。
なおここのコネクタはTINYドローンでお馴染みのPHコネクタでした。

では問題のLEDに戻り、リード線を経由して基板に繋いでみます・・・点きますね。

では元通り基板に付け直してみます。

すると正常に点きました。やっぱりハンダ付け不良だったのかな?

では元に戻します。天井に取り付けて一安心・・・

・・と思ったら30分程使っているとまた点滅を始め、その内消えてしまいました。
直っていないのか・・・

もう一度LEDを外してリード線をはんだ付けしました。
そしてリード線を曲げようとして少し力を加えたとたん・・・真っ二つ。

LEDにクラックが入って割れかけていたため不安定だったのだと思います。

こうなると交換しかありません。手持ちの中から外形が近いLEDを持ってきました。

実は割れてしまう前に並べて撮影していました。
左がシーリングライトに入っていた物。右が手持ちのLED。手持ちの方が僅かに外形が大きいですが、頑張れば取り付けられそうです。なお発光色はどちらも似ていて電球っぽい色です。

新しいLEDを基板に取り付けました。動作はOKですね。
茶色になったフラックスはこの後ふき取りました。

再び天井に取り付けて数時間点灯し続けましたが今のところ消えずに点いています。

という事で、LEDが壊れかけていたというのが結論です。

電子負荷 PLZ72W ~その2~

ジャンクで貰った電子負荷のPLZ72W。先日の投稿でA設定側が動作しない旨を書きました
とりあえずはB側が使えれば望みの用途には使えるのですが、気になるので再びケースを開けてイジっているといつの間にか直ってしまいました

たぶんですが、電流値を決める多回転ボリュームが狭い所にあるので、どこかに接触していたのではないかと思います。電源スイッチを修理する時に前面パネルと共にボリュームも外したので、その時にやらかしたのかと。

ボリュームの取り付け角度によっては周囲の部品に当たるのです。
念のため、もう一度ボリュームを外して安心な角度で取り付け直しました。

A/B両方が正常になると電子負荷内部の発振器で負荷電流を交互に切替える事ができるので電源の追従性等も確認できます。

ためしに10V電源から5Ω抵抗を経由して1A⇔0.1Aを切替えた電圧を測定してみました。

予定通り9.5Vと5Vを交互に繰り返す波形が出てきます。
なおA/Bの保持時間を右下のツマミで変更できるので周波数やデューティーを設定できます。

ばっちりですね。次に電源を作るときには活用しようと思います。

電子負荷

息子がとある所からジャンクの電子負荷を貰ってきました(でかした!)。
電子負荷というのは電圧を入れてやると一定の電流が流れ続ける装置で、電源やバッテリーの動作を確認するのに便利なのです。

以前DC-DCコンバーターをいじくっていた時に電子負荷があったらいいなーとは思っていましたが、そう度々使う物でもなく、その時はセメント抵抗を並べて負荷にしていました。

で、今回入手したのはこれです。菊水電子のPLZ 72W。70Wまで喰わせる事ができます。
また設定電流をA/Bの2種類準備しておいて、手動及び内部発振器により交互切替えができる様です。

ではプラグをコンセントに挿し込んで電源スイッチを入れてみます。
・・・が、電源入りません。ち~~ん。
まあジャンクですからね。

とにかく開けてみました。

AC100V入力を辿っていくと一方は直接トランスに、もう一方はガラス管ヒューズを経由して前面パネルの電源スイッチに繋がっています。

という事で、一番怪しいヒューズをチェック・・・切れてないですねぇ。
この状態で電源を繋いだところ、電源スイッチまでは100Vが来ていますが、スイッチONにしてもその先には来ません。どうやらスイッチの問題みたいです。

このスイッチは3接点×2回路のスライドスイッチで、2回路を並列に接続してあります。
しかし2回路共接触不良になるのかな?
そこで暫定的にスイッチの接点をジャンパーで繋ぐと電源が入りました。やっぱりスイッチの異常ですね。

ではフロントパネルを外してスイッチを取り外してみます。テスターの抵抗レンジで測るとやはりON側が導通しません。
ならばスイッチをバラして接点を磨こうかと思いましたが、よく見るとこのスイッチは上下が完全に対象です。
今までOFF側の接点には何も配線されていませんがスイッチOFF時に抵抗レンジで測ると正常に導通しています。
という事は上下逆にしてやれば今まで使っていなかった方の接点をON側に使えそうです。・・・という事でスイッチを上下反転して配線し直したところ電源が入る様になりました


では安定化電源に繋いで動作させてみましょう。
電源はこの時購入したPAB70-1A(こちらも菊水電子製)です。

動作させた結果、負荷電流をA/Bの2種類設定できる内のA側は故障している様で、設定ツマミを回しても0Aのまま上がりません。
しかしB側はツマミの回転に応じて電流が上がっていき、安定化電源の電流表示とほぼ一致しています。B側は使えそうですね。

ダウンロードした取説を見ると次の様なブロック図が載っています。A側が動作しないのは中央付近の「アナログスイッチ」か「定電流/定抵抗切替回路」あたりが怪しいですが、とりあえずB側が使えれば欲しかった機能は使えるので、今回はここまでにしておきます。

CBF125T エンジン異音の修理

新大州本田製のCBF125Tというバイク、昨年のロングツーリングで東北を走っていた頃からエンジンがガシャガシャといった音を出す様になっており、ずっと気になっていたので今回修理しました。

エンジン異音の症状

ガシャガシャ音とはおよそ次の様な症状です。

  • アイドリングの時はあまり気にならない。
  • 4~5000回転あたりからガリガリと鳴りだし、7000回転程度まで回すと納まる(他の音に消されて気にならないだけかも)。
  • シフトアップの時に一瞬クラッチを切ってアクセルを緩めた瞬間、ガガッという大きな音がする。

確信はないのですがカムチェーンまわりが原因かなーと思います。
カムチェーンまわりを調べるなら左側クランクケースカバーを開ける必要があり、そうするとガスケットの交換が必要になる可能性大です。
できるだけガスケットを入手してからカバーを開けたいですよね。でもこのCBF125Tというバイク、中国製の為パーツリストやサービスマニュアルが手に入りません。

(別車種の)パーツリスト入手

という事で色々調べていたらホンダにはCRF125Fというバイクがあり、このエンジンがCBF125Tとソックリである事に気づきました。
見た感じではキックペダルの有無程度の違いしかなさそうです。

CRF125F

CBF125T

CRF125Fは公道走行不可なオフロードバイクですが、日本国内で販売されているのでパーツリストやサービスマニュアルは出回っています。
という事で早速ヤフオクでパーツリストを落札しました。
なおCRF125Fは年式毎に少しづつ変ってきており2019年以降だとCBF125T同様インジェクションになっています。なのでできれば最新のパーツリストが欲しい所ですが、安かった初代の物を入手しました。

このパーツリストによるとエンジン左側カバーのガスケットの部品番号は11395-KWS-900となっているのでこの型番で注文しました。

カムチェーンテンショナーのプッシュロッド清掃

ガスケット到着までの間にカムチェーンテンショナーのプッシュロッドを調べてみます。
プッシュロッドとは下図8番の部品で、クランクケース内で上下にスライドする様に取り付けられています。そしてプッシュロッド上側にある9番の樹脂パーツが3番のアームを押す事で4番のプーリーをカムチェーンに押し付けてチェーンにテンションを与えるのです。
なおプッシュロッドの中には下方向にのみエンジンオイルを通す逆止弁が入っており、この働きでプッシュロッドが一旦上に上がると下側には下がりにくい構造になっています。
このプッシュロッドの動きが悪いとカムチェーンにテンションを与えられないのでチェーンがどこかに擦れて異音の原因となるのです。

このプッシュロッドですが、本来はクランクケースカバーを開けなくても13番のボルトを外すとエンジンの下に落ちてくる構造なのですが、私のバイクは落ちてきません。針金で引っ掛けて抜こうとしましたが取り出せませんでした。
ここの動きが悪くなっているのが原因かもしれませんね・・・

プッシュロッドを抜き出せませんが、左側のクランクケースカバーを開ければ中から押し出せる筈です。ガスケットはまだ到着していませんが開けてみましょう。

・・・という事で開けました。
(先にジェネレーターから出ている配線を抜いておいた方が作業し易いです)

案の定ガスケットは破れたので交換決定ですね。

このフライホイールを外せばプッシュロッドやカムチェーンが見える筈。

その為にはまずナットを外しました(固かった・・・)。

そして息子が持っていたカブ用のフライホイールプーラーを持ってきたのですが形が合いません。
まず外側のおねじ/めねじがカブとは逆です。これは適合するプーラーを買うしかなさそうですね。

amazonにて外形30mm x ピッチ1.5mmのプーラーを購入。二日後に到着したのでフライホイールを外します(これまたメチャクチャ固かった)。

フライホイールが外せました。プッシュロッドの先が見えているので、ここを指で押せば下側に抜ける筈です。

プッシュロッドを下に押し出すとゴリッという感触と共に下の穴から落ちてきました。表面に金属カスみたいなのが付いていて滑りが悪くなっていた様です。掃除して動きが良くなったことを確認して組付け直しました。

異音の原因はこれだけかもしれませんがカムチェーンを押しているプーリーが摩耗しているのが見えているのでこれらも交換する事にします。再びCRF125Fのパーツリストからプーリー類とプッシュロッド先端の樹脂部品を注文しました。なおこの時点での走行距離は約2万5千Kmなのでカムチェーンまでは大丈夫かなとは思いましたが念のため一緒に注文しておきます。

その後、先に注文していたガスケットが到着しました。型番11395-KWS-900を指定して注文しましたが入着したのは11395-KWS-901。何か変更になっているんでしょうけど見た目ではわかりません。

なおこの時点でプーリー類とカムチェーンはまだ到着していません。ガスケットと同じ納期だとすると1週間ぐらい必要なので、その前に一旦組み立てて調子を見たいと思います。
・・・が、1枚しかないガスケットを使って破ってしまったら困ります。

という事で仮のガスケットを作ります。
純正ガスケットをスキャナーで読み込み、jw-cadに取り込んでサイズを合わせた上でなぞります。

このデーターをレーザー加工機に送ってカットしました。材料はガスケット(実測0.48mm)に近い厚みの画用紙を使用。
こういう厚紙でガスケットを作るのは昔から聞く方法ですが耐久性はどうなのかな?
今回のデータをjw-cadとdxf形式で上げておきます→ 11395-KWS-901.zip

白い方が今回つくったガスケット。青い方は純正。

そして一旦組み立て、オイルも入れて走ってみました。
かなり良くなっている感じ。でもまだシフト時のガガッというのは残っていますね。
やはりカムチェーン周りを交換しましょう。

カムチェーン周りのパーツ交換

そして数日後、部品が到着しました。プーリー類3個、プッシュロッドの先っちょ、そしてカムチェーン。
では交換していきます。

最初にエンジンオイルを抜きます。数日前に入れた新しいオイルが勿体ないので再利用できる様、オイル受け皿を綺麗に洗って乾かしておきました。抜いたオイルはフィルターで濾して保管しておきます。
あとは前回同様にばらしていき、カムチェーンとプーリー類を取り出しました。


まずカムチェーンの新旧比較。上側の白っぽい方が新品です。
これ、目で見る限り長さは全く変わっていませんね。やはり走行距離2万5千Kmだと大して伸びないんですね。でも折角買ったので新しい方を取り付けて古い方は保管しておきます。

そしてプーリーその1
右側が新品で左が使い古し。新品には中央の出っ張りみたいなのがありますが、使い古しの方にはなくなっています。これはどうなんでしょうね?サービスマニュアルがあれば使用限度とか書いてありそうですが。どちらにしても交換しておきます。

次、プーリーその2
使い古しはチェーンの形が刻み込まれてスプロケットみたいな形になっていますね。

そしてプーリーその3
これは激しく摩耗し金属部分が露出しています。

プーリーその3を違う角度から見た写真。
金属部分が露出というより殆ど金属だけですね。これがカムチェーンと擦れて異音がしていたんじゃないかな?そんな気がします。

最後にプッシュロッドの先っちょにある樹脂パーツ
使い古しにはアームに当たる部分に傷が入っています。これくらいは問題なさそうな気がしますが交換しておきます。

全て交換した写真・・・

今回は純正のガスケットを挟んでフタを閉めます。

因みに数日前に使った画用紙ガスケットは油漏れもせず、特に破れた様子もありませんでした。耐久性は分かりませんが短期間なら問題なさそうです。

全部元通りに組立て、先ほど抜いたオイルをフィルターで濾してまたエンジンに入れました(だって試しに100Kmほど走っただけなので勿体ないのです)。

走ってみる

そして乗ってみると・・・バッチリですね!!
異音は消えて快適に走れる様になっています。

今回購入した部品

最後に今回購入した部品一覧表を示しておきます(Rakuten市場のヒロチー商事というところで購入しました)。
カムチェーンは恐らく交換しなくても良かったと考えて、これを除くと¥3533円(送料別)ですね。

品名部品番号備考購入価格
ガスケット,L,クランクケースカバー11395-KWS-900・・901が入着¥795
チェン,カム(90L)(ダイドー)14401-KWB-601¥1,694
ヘッド カムチェーンテンショナーブッシュロッド14566-086-030¥164
ローラーCOMP, C,カムチェーンガイド14610-KYY-901¥957
ローラーCOMP,カムチェーンガイド14670-KYY-901¥935
ローラー,カムチェーンテンショナー14502-K28-911¥682
合計¥5,227

スクーター Dioチェスタ(AF34) のバッテリーがリークする

息子が古くてボロいスクーターを先輩から(ほぼタダで)買ってきました。
その先輩も誰かから貰ってかなり長い間放置していた様で、各所が錆びていたりマフラーに土蜂が巣を作っていたり、まあポンコツですが、単にイジりたいだけで買ってきたみたいです。

で、色々修理したり悪いパーツを交換して走れる様になり完成かと思ったのですが、新品バッテリーなのに数日止めておくと上がってしまうという問題が見つかりました。
充電はできており暫く走るとセルモーターを回せるだけの電力が溜まるのですが、数日乗らずに止めておくと上がってしまうのです。

なんかリークしているっぽいですね。

そこでキーOFF状態でのバッテリー電流を測ると14mAも流れています
バッテリー容量は3Ahなので単純計算だと9日間で空となる(実際にはもっと早くダメになるでしょう)のはちょっと流れ過ぎですね。

という事で調べていく

そもそもキーOFFなのにどこに流れているんだ?

サービスマニュアルや回路図を持っていないので、とりあえずキースイッチの周りを見ると下の写真の様に3本の配線が出ています。
(あとで気付くのですが、この配線に問題がありました。)

なおネットの情報によると、このDioチェスタというスクーターは初期の2ストローク時代と後期の4ストローク時代があり、今回のは2ストロークエンジンを積んだAF34型です。そしてAF34の中でもマイナーチェンジがされており、キーシリンダーから出ている配線が2本の物もある様ですが、今回のは3本のタイプです。

キースイッチを開けてみるとツェナーダイオードらしき部品が入っていました。”4″と書かれているので恐らく4Vのツェナーらしいですが、何のため?

判らなくなってきたのでキースイッチ回りの配線を図にしてみました。
(現物からテスターで辿った結果なので間違いがあるかもしれません。また発電コイル回りは他の機種の回路図を元に推定して書いた部分もあります。あとこのCDIは5ピンですが世の中には同じAF34でも4ピンタイプのCDIもある様です。)

しかし色々と謎があります。

・キーOFF時のピンク線には12Vが加わっている。
 OFFなのにCDIに12Vが入りっぱなしというのに違和感があります。

・キースイッチ内部の4Vツェナーダイオード
 何これ?

その他(なかなかバイクの電気系は興味深いのです)・・・

・CDIは直流12Vで動作する通称「バッテリー式」です。
 CDI内で昇圧し瞬間的にイグニッションコイルに電流を流します。
・灯火類は交流のまま使用する、古いカブ等と同様の方式です。
 この方式では電圧が上がりすぎない様にレギュレートレクチファイヤで過電圧を防いでいるのですが、電球とは並列にレギュレータが入っているんですね。という事はレギュレータにガバッと電流を流して電圧を下げるシャント方式なんでしょうか?

ツェナーの働き考察

キーONの時、12V電源はキースイッチ内のツェナーダイオードを経由してCDIのピンク線に繋がります。ピンク線はこの時約8Vになっていました(ツェナーで4V落としている)。
これはどうやら「直結防止」が目的みたいです。このCDIはピンク線が8V前後の時だけ動作する様になっているらしく、ピンク線に12Vを加えてもエンジンは掛からず、またピンク線を開放しても掛かりません。これによりバイク泥棒が電源とピンク線の間を直結してもエンジンは掛からない仕組みになっている様です。
・・・という事でこの部分はキーOFF時のリークとは直接関係なさそうです。

リーク原因調査

そして問題のキーOFF時のリークですが、12Vが印可されたピンク線からCDIに向かって14.5mAの電流が流れていました。
ではこのCDIに入った電流はどこから流れ出すのでしょう?CDIの各端子を測ると以下の通りで、赤黒線が主な出口となっている様です(GNDからも僅かに流れ出していますが)。

配線色機能電流(CDIに入る向きを+)
赤黒12V電源-13.5mA
ピンクON/OFF+14.5mA
青白タイミング0mA
黄黒スパークコイル0mA
GND-0.7mA
リーク電流はピンク線から入って赤黒線から流れ出している。

と、ここまで判ったけど、なぜ赤黒線から流れ出すのかが判りません。ならばと赤黒線とCDIの間にダイオードを入れて逆流を阻止してみたところ、当然ながら赤黒線への流れは止まりましたが、今度はGND端子から6.9mA流れ出す様になりました。(リークは半分にはなるけど・・・まだ変。)

うーん。謎。
キーOFF時にピンク線に12Vを加えるならCDI内でリークを食い止めて欲しい気がしますね。
やっぱりCDIが壊れてリークしているのか?
悩んだ末、ヤフオクで同じ型のCDIを購入してみることにしました。

そして到着したCDIを取り付けると・・・やっぱり14.5mA流れています!!なんでー?

もう一度落ち着いて考える。

そもそもキーOFFの時にピンク線に12V加わっているのが不自然ですよね。キーOFF時に切り離していればリークの心配なんて無くなる筈。そういう風に改造しようかと考えて・・・ここでふと気づきました。そもそも現状の配線が正しい保証はないし何か配線が間違ってんじゃね?・・・と。

そういう目で見ると付属の鍵も純正っぽくないです。なに?JINKUNって。誰?

更にネットで他の車体の画像を見るとキースイッチのコネクタはこんな1本ずつギボシや平端子で接続するのではなく、3本纏めたコネクタが繋がっています。
やっぱり過去にここをイジられているみたいですね。その時に間違った配線をされた可能性があります。

「多分こうだろう」という現時点の結論

元々の配線が間違っている可能性も踏まえ、どうすれば正常に動作するかを考えた結果、キースイッチへの接続が現状とは逆に、下図の赤・青で描いた様に接続するのが正しいのだとしたら理屈が合います。
これならキーOFF時はスイッチ内で切り離されていてリークする事もないし、ONの時はCDIに12V電源及びツェナー経由の8Vも加わります。
また直結されてもツェナーを経由しないので盗難防止機能も正常です。


上記配線になる様、ギボシと平端子を繋ぎ変えてみると、キーOFF時のリークは無くなり、ON時の動作も正常となりました。

反省

ジャンク同然で買ってきたバイクの配線が正常であるという前提で考えたのが失敗でしたね。
無駄にCDIを買ってしまったけど、むしろサービスマニュアルを買うべきだったかも。

上の配線で本当に正しいのか、正規の回路図で答え合わせをしたいので回路図をお持ちの方、ぜひ教えてください。

しかしCDIとかレギュレートレクチファイヤーとか、なんだかバイクの電装系を調べるのが楽しくなってきました。。。

SUZUKIエブリィのECU

知り合いが自動車整備工場をやっているのですが、ECUが壊れて交換パーツが手に入らず、廃車の危機になっている車があるのでダメ元で見てくれないかと言われました。
見ても解るかどうか不明ですが、「ダメ元」で良いならと預かってみました。

※ここで言うECUとはエンジン・コントロール・ユニットの略で、車のエンジンを色々と制御する、マイコン搭載のモジュールです。

症状としては「吸気の流量を調整するバルブがあって、それを制御するモーターが上手く回らないためアイドリングが安定せずにエンストする」という事です。
話によるとモーターのコイルが短絡状態になった為にECUも故障し、交換用モーターは手に入ったけどECUが手に入らないとの事。

問題のECU

で、これがそのECU。
このECU、プラスチックケースの蓋が接着されていて、分解する前提には作られていません(まあECUなんて大体そんなもんだとは思いますが)。
という事でこちらの面は受け取った時点で強行突破されていました。

そして反対側の面。こちらは開けられていなかったのですが中を見たいのでプラスチックをノコギリで切り取りました。

調べる

これだけ見ても何が何だかさっぱりわかりませんが、整備工場ではサービス情報をダウンロードできるそうなのでECU回りの配線図を付けてもらいました。
流石にECU内部の回路図まではありませんが、どの端子がどこにつながるかという手掛かりがあると少しは進められそうです。

そして関係する部分は下図のあたり。真ん中付近のC09というのが件のモーター、図の一番下に「EPI&A/Cコントローラ」と書いてある囲みがECUです。


しかしこのモーターの配線は普通のモーターっぽくないですが、何処かで見た様な配線ですね・・・ユニポーラのステッピングモーター?
コイルの上側は12Vに接続しているので、予想通りステッピングモーターだったら下側はトランジスタ経由でGNDに落とす筈。。。たぶんこんな感じで。

そこでECUの端子番号11~14から基板の中を辿っていくとそれぞれトランジスタらしき部品につながっています。この部品には「V0 1G」とマーキングされていてネットで探しても型番まではたどり着けませんでした。しかしテスターで当たるとやはりバイポーラトランジスタの様です。なのでやはり上図通りの可能性が濃厚に・・・

このトランジスタの端子配置は下図の様になっています(テスターで当たった結果から)。
パッケージは寸法的にSOT-89,SC-62,MPT3あたりだと思います。
既に手元にないので今確認はできませんがB-E間に抵抗が入っていたと思うので秋月電子にあるRN5006が近いんじゃないかと思います。

追記:上記RN5006はC-E間耐圧が10Vなので耐圧不足でした。12Vで使うのでもう少し耐圧が必要です。
追記:どうやらROHMのDTDG23YPが使えそうです。
   ※Arbisさんから動作したとのコメント頂きました。

そして基板内の4つのトランジスタにはQ141~Q144のシルク表示が書いてあります。
この内Q141だけB-E間がオープン状態なので少なくともこのQ141トランジスタは壊れている様です。

修理

そこでこのトランジスタを交換すべく上記のRN5006を買おうかとも思いましたが実はもう一つ同じECUがあるのです。それが下の写真の物。。。

真っ黒コゲでしょ。中古のECUが一つだけ見つかり交換したら煙が出てこの状態になったそうです。
暫くは動作していたので車検を終えてその帰り道に煙が出たとか。ECUだけで済んだのが不幸中の幸いですね。
で、この基板内に同じトランジスタが数か所使われているので比較的被害を免れているトランジスタを取り外しました。これをテスターで当たった感触は生きている様なので、まずはこれと交換してみます。

ではコゲていない方のECUに戻り、ヒートガンで温めてQ141トランジスタを取り外し・・・


先ほど黒コゲECUから摘出したトランジスタをはんだ付けしました。

この状態で返却して試してもらいます。

結果

数日後の連絡によると正常動作したとの事で、防水処理をやり直して使ってみるそうです。
今回は出力端子に近くて比較的分かりやすい箇所でしたが、もし修理不能で交換ユニットも見つからなかったら廃車の危機ですよね。
部品を廃版にするならメーカーが中身を公開してくれたらいいんですけど(メーカー的には新車を売りたいのもわかりますが)。

CBF125T タコメーター故障&作成 ~その2 ステッピングモーター化~

先日液晶表示のタコメーターを作りましたが、液晶ディスプレイが小さいのと昼間はコントラストが低くて見づらかったのでステッピングモーターに置き換えて針を振らせてみました。

まず前回のタコメーターは下の状態。

反射光でもバックライトでも見えるというディスプレイですが、はやりちょっと見づらいのです。

今回のステッピングモーターについて

ステッピングモーターはAmazonで2個¥1940円で購入。
X27-168という型番で、CNCや3Dプリンタで使う様なヤツではなく、下の写真の様にメーター用の軽量のものです。

後ろ

このモーターはこちらのブログで紹介されていました
またデーターシートはここで発見しました

元々付いていた(壊れた)タコメーターと比べるとこんな感じ。電子回路が別に必要だとしてもかなり小さくて済みそうです。

ところでこのステッピングモーター、2相のバイポーラ動作ですがコイルの駆動が5V/20mAで済むのですね。
という事はAtmega328PのArduinoで直接駆動できます。改めてAtmega328Pの絶対最大定格を見たらI/Oピン電流は40mAと書かれています(20mAだと思ってたのでギリのつもりでしたが、実は結構余裕だったのね)。

また通常動作(マイクロステップ等にしない場合)では、1ステップで1/3度回るのでタコメーターの分解能としては十分です。

回路

回路的には先日作った液晶方式からディスプレイを取り外し、ステッピングモーターの配線4本をつないだだけ。
あ、あとパルスを割込みでカウントするため、入力ピンをD5→D2に変更しています(Atmega328PのArduinoで割込みを使うにはD2かD3に入れる必要があるので)。

取り付け

パネルへは新たな穴を開けて直接モーターを取り付けました。
不要になった穴は夜間に光が漏れそうなので裏からプラパテで埋めたのち、表から黒塗りしています。


取り付けにちょうど良いサイズのタッピングビスが手持ちになかったので、モーターの取り付け穴(元々Φ1.85)にタップを立ててM2ネジで取り付けました。

指針は元々付いていたものを使うのですが、軸の太さが元のメーターだと0.8mmに対し、今回のモーターは1mmと太くなります。
そこで指針の軸穴を0.95mmのドリルで拡大したら丁度良くなりました。
因みに0.95mmのドリルは写真のセットに含まれています(Tinyドローンの軸拡大にも時々0.95mmを使うので単品で買っておきたいのですが売っているのを見かけません。通販で買っとけばよいのですが)。

そして一通り接続したところ。。。

プログラム

前回はゲートタイム200mSでパルスをカウントしていましたが、低回転での分解能を改善するため1パルス毎に割込みをかけてArduinoのmicros()時刻からパルス間隔を測定しています。
モーターコイル2本のそれぞれ両端に加える電圧は以下の配列を用意しておき順次切替えています。

// 各ステップの端子状態
int coil1a[]={1,1,0,0,0,0};
int coil1b[]={0,0,0,1,1,0};
int coil2a[]={1,0,0,0,0,1};
int coil2b[]={0,0,1,1,0,0};

動作させてみる・・・

アイドリング時の振れが大きいです。
またキーをOFFした時に0rpmに戻らずその場で止まってしまうのがカッコ悪いですね。

対策

まず振れが大きい問題についてはソフト的にローパスフィルターの処理を強目にしました。

次にキーOFF時の動作ですが、OFFの瞬間に電源が切れてしまうと0に戻せないので、戻すまでの時間分の電力を貯めておく必要があります。なら電解コンデンサでしょうね。
ざっくり計算で10000μF程度をつけたいところですが手持ちにないし大きすぎるので試しに4700μFを、ArduinoNANOのレギュレータに供給している12VとGND間に付けてみました。
・・が、キーOFF時に0rpmには戻りませんね。
でもこれは想定内。単に12VとGND間にコンデンサを繋いだだけではコンデンサに貯めた電荷は車体側にも流れてしまうのであっという間に放電し、タコメーター側に供給する電力は僅かになってしまいます。
これを防ぐため、バイクから供給する12Vとタコメーターの間をダイオードで分離してみます。また電源ON時にガバッと流れるのがイヤなので抵抗とダイオードをパラにつないで下図の様に接続しました。

これでコンデンサの容量を替えて試したところ2200μFでOKですが1000μFだとダメ。よって少し余裕を持たせて3300μFを取り付けました(4700μFの方が安心ですが50V品で大きくてケースに入らないのです)。

実際の配線は下の様なのを作ってギボシ端子接続に割り込ませています。

コンデンサはテープで貼り付けました。この位置ならケース内に納まります。

もう一度動作確認・・・

指針の揺れがかなり納まり、キーOFF時に0rpmに戻る様になりました。
しかし実際に走ってみると、アクセルを開けている間だけまだ揺れがすこし大きいですね。
もう少しローパスフィルターを強めに効かせようと思いますが、またメーターを外すのが面倒なので次回バラす機会があればやろうと思います。

Arduinoのスケッチ

参考に今回のプログラムを載せておきます。

http://www.hoihoido.com/data/tachometerX27_2.zip

トイレ改造。一体型便器に市販の温水洗浄便座を無理やり取り付ける。

※今回トイレの話題という事で、若干汚い画像も掲載しており、気になる方はこの記事はスキップしてくださいませ。

トイレ故障

先日トイレの便座が温まらなくなりました。
夏の間は便座ヒーターをOFFにしていましたが、最近肌寒くなってきてONにしたところで故障に気づいたのです。
ヒーターをONにすると一旦座っていられない程の熱さになったと思ったらその後は冷たいままになっています。
恐らく温度制御が上手くいかなくなり、ヒーターがガンガンに温めてしまい断線したのではないかと想像しています。(だとすると燃えなくてよかったな)

遡ること9年前、我が家を中古住宅として購入した際にトイレをリフォームしました。
当時タンクレスという便器を進められたのですが、これだと便座ヒーターや洗浄機能が故障した場合にホームセンターで売っている様な温水洗浄便座には交換できず、便器を丸ごと交換しなければならないという事だったので却下しました。
不動産会社(経由でリフォーム業者)にはいざという時に市販の便座を装着できるタイプにしてくれと要求した結果が現在使用している便器なのです。

LIXIL DT-Z151U

ところが、そんな会話をして取り付けた便器なのですが、見た感じからは本当に交換できるのかなーという不安はありながらも9年経過し、今回現実に故障したのです。
そこでまずはメーカー(LIXIL)に電話して市販の便座に交換できるか聞いてみたところ、懸念通り「無理」との回答でした。
正直「やっぱりか」という感想ですが、今さら不動産屋にクレームを出して「言った/言わない」のバトルをするのも疲れるし、とりあえずはメーカーに修理に来てもらう依頼をしました。

翌日修理担当者に調べてもらったところ、便座ヒーターはやはり断線しており交換が必要、また制御基板も壊れていて交換が必要、更に蓋をゆっくり閉める為のダンパーも弱っているので変えた方が良い、という事で「合計5万3千円必要です」との回答。また「こういう場合、大抵の人は便器ごと交換します」という事で、そうすると最安でも15万円程度は必要との事でした。
そりゃすぐには決断できないですよね。現在悪い所だけを5万円以上かけて直しても、この先他の箇所も壊れてきそうなので、できれはこの選択肢は取りなくないです。
かといって10年毎に便器丸ごと交換するのはあんまりですよね(本当に一体型便器を使われている皆さんはそうしているのかな?)。
という事で、その日は現状に戻してもらい修理は終了としました。

そしてダメ元で悪あがきをしてみます。

やりたい事はタンクから便器に流す機能は残した上で、温水洗浄便座を市販品に交換する事。
これができるとホームセンターで売られている便座なら2~3万円程度で買えるし、10年後にまた壊れても便座だけ交換で済みます。

そこで誰かやってるだろうと思ってネットやYouTubeを調べたけど案外見つかりません。
また、たまたま水回りのプロ3人程とお会いする機会があったので相談してみたのですが、皆「無理」と言います。プロからしたら便器ごと交換したいでしょうけど、利害関係のないプロも「無理」といわれるのがちょっと不安なところ。

・・・しかしまあ怖いもの知らずの素人なので検討を進めていきます。

中を見て考える

まず便座及びタンクカバーを外すと下の写真の様になっていました(注意:このあたりから写真が汚らしくなってきます・・・)。

タンクユニットと温水洗浄ユニットを分離できそうな構造ですね。ここを分離してタンクユニットだけ残し、温水洗浄ユニットを取り去れば市販の便座を取り付けできそうです。
もう一つ気になるのは便座の取り付け穴の位置ですが、これも市販品と同じ規格に従っている様なので自分の中では「できる」という確信になってきました。

作業開始!

まずホームセンターに出向いて市販の便座を物色します。
購入したのはPanasonicの型落ち品で、税込み1万6千500円。失敗する可能性もあるのでなるべく安いのを購入しました。
これで済めば御の字というものです。

ホームセンターで購入した温水洗浄便座(の取説)。

では家に持ち帰り作業に取り掛かります。
まず温水洗浄ユニットに水を供給するホースを外します。ここの分岐には電磁バルブらしき部品が付いており、ホースを抜いても水が飛び出す事はありませんでした。でも念のためホースの先端を水受け部分内に収めておく事で、もし漏れ出した場合でも便器に流れていく様にします。


次に基板に刺さっている配線類を抜いた後、この2個のネジを外せば温水洗浄ユニットが前にボコッとスライドして取り外せました。

更に温水洗浄ユニットを取り付けてあった上下機構部品を取り外します。

基板も外して・・・

これでタンクユニットだけが残った状態ですが、タンクユニットが市販便座を取り付けるべき穴も占有しているので、赤枠の出っ張り部分を切り落とします。

因みに便器の上物を全部取り除いたのがこの写真。
壁に近い側の両端の穴がタンクユニットの固定穴。手前の2個の穴もタンクユニットに接続していましたが、ここをフリーにして市販の温水洗浄便座を取り付けます。
なおこの便座取り付け穴の間隔は140mmで通常の便座と同じ寸法です。

では不要なデッパリをノコギリで切ります。(しかし切りづらかったのでジグソーに変えたら一撃で切り落とし完了。)
これでもう後には引けません。

以上で取付穴がフリーになったので、ここに市販の便座を取り付けました。

が、ここで問題が発覚。今まで使用していた止水栓がホースとはネジで固定するタイプではなく、Oリングで密閉した継手を差し込んでプラスチックのカバーで固定するタイプでした。
たぶんLIXIL専用なのでしょう。

今まで使用していた止水栓。

下の写真が今回購入した温水洗浄便座に付属の分岐管。通常のネジで固定するタイプなのでLIXILタイプから分岐ができません。
こんなところに落とし穴があったとは。

この分岐を取り付けたいが型が合わない。

これは困りましたね。こういう場合はいつもO氏に相談します(レーザー加工機の排気用換気扇を取り付けるときにお世話になったあのO氏です。彼はリフォーム業も行っているのです)。
すると「ちょうど合う止水栓がいっぱい余ってるからやるよ」とのお言葉。頂いた止水栓だと一旦フツーのネジ固定タイプの出口があり、そこからLIXILタイプの継手に変換する構造なので、これなら分岐管を取り付けられます。
因みにネットで調べるとこの止水栓単体では2千8百円程する様です。

止水栓を交換して分岐できました。
写真で上方向に行くホースが温水洗浄便座に、右に行くホースがタンクにつながります。

以上でタンクにも市販便座にも水を供給できたので一通りの機能は実現でき、見た目を気にしなければ使用できる状態になりました。

ただし、タンクの中身がむき出しのままという訳にはいきませんよね。
今まで付いていたタンクカバーのままでは新しい便座に干渉して取り付けられません。
そこで下図の赤線あたりで切り取って取り付けたいと思います。

またジグソーで切り取ってタンクに被せたところ。。。
緑色の養生テープの下がガバッと開いています。
この開口部はこれから塞ぎますが、だいぶ形になってきましたね。

開口部を塞ぐフタの図をJw-cadで書き、試しに段ボールをレーザーカットし、納得のいく形になったところで手持ちのアクリル板をカットしました。
白色が本体の色とだいぶ違うのは後で考えるとして、裏からグルーガンでくっつけ、表側の合わせ目をプラスチック用パテで埋めました。

完成

開口部も塞がったので一旦完成とします。写真で見ると目立ちませんが、タンクカバーの下の部分が白すぎるので塗装しようかと考えています(でもたぶんやらないです)。


最近の便器って・・・

繰り返してしまいますが、最近の一体型便器は温水洗浄部分が壊れるだけで全体交換ってあんまりですよね。なんだかメーカーおよびリフォーム業界の思うツボな気がします。
陶器やタンクの部分はそう簡単には壊れないので、多くは温水洗浄部分が壊れただけで皆さん丸ごと交換されているのでしょうか?
今回、便器ごと交換すると15万円以上するところ、市販の温水洗浄便座を取り付けることで1/10程度の費用で済みました(まあこの後何か問題が出るかもしれませんが)。

しかしこれまで色々な物を修理したり改造したりしてきましたが、まさかトイレをやるとは・・・

注意:これを見て同様の作業をされ、もし失敗しても責任は持てません。