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ミニ四駆をラジコン化 ~その4~ 回路とプログラム

前回3Dパーツのデータを投稿し、「その他のデータは追って掲載予定」と書きながら放置してしまいました。。。という事で今回は回路図とESP32_C3に書込むプログラムを掲載します。

受信(車体側)基板回路図。

受信機用プログラム
https://www.hoihoido.com/data/ESP32RCcar_C3.zip

プログラムのビルドはPlatformIOで実施しています。
ArduinoIDEでビルドしたい場合は*.inoファイル(*の部分はフォルダと同じ名前)を空っぽの内容で作ってmain.cppと並べておけばビルドできると思います。
なおESP32Servoライブラリのインストールが必要です。

送信機(コントローラー)回路図

そして送信機用プログラム
https://www.hoihoido.com/data/ESP32-RCTX_C3.zip

実際の基板

基板は下の様なものを作成しました。
右が受信機用(両面だしなるべく小型にするためPCBgogoに発注しました)。
左が送信機用(こちらは自作基板です)。

ESP32_C3への書き込み方

ESP32_C3へ書き込む方法を書いておきます。
(PlatformIOでのビルドまでは終わっている前提)

ESP32_C3はUSB信号を直接接続して書き込むことができます。FT-232RL等のUSBシリアル変換を使わなくてもいいのです。
PCとの接続にはこんなケーブルを使いました。USB-Aプラグからそのまま4本の線が出ていてQIコネクタに繋がっています。


この4本をそれぞれ基板につなぎます。
GND,+D,-Dは基板上の同名の端子へ。
+5Vは受信基板の場合回路図中の「+5.0V」へ。
送信基板だと「VCC J2」へ接続します。

そしてESP32_C3のIO9端子をGNDに落としておいてUSB-AプラグをPCに挿します。

(Windowsの場合)デバイスマネージャーを開くとCOMポートがある筈です。

あとはPlatformIO上で書き込み先をAuto又は上記COMポートに設定し、「→」ボタンを押すと書込みが始まります(未ビルドであればビルドに時間を要するかもしれません)。


下図の様に「SUCCESS」と表示されたら書込み成功です。

小さなステップアクチュエーター

ちょっと作りたい物があって小さなアクチュエーターについて調べました。
用途的には数㎜程度伸縮する物を沢山並べて制御したいのです。
最初はRCサーボを考えましたが、沢山並べるには1個あたりの単価をもっと安く抑えたいです。

そして行き着いたのが写真のリニアアクチュエーター。ステッピングモーターで送りねじを回す仕組みになっていて、どうやらデジカメなんかに使われているみたいですね。
これがAliexpressでは60円程で売られています。

電極はこの4本だけ。バイポーラのステッピングモーターです。


ステッピングモータードライバICのTB6608FNGをピッチ変換基板に載せてブレッドボード上で動かしてみました。

実測ではストロークが約8.2mmで、これを約2600ステップで移動します。
このアクチュエーターは使えそうですね。
なのでモータードライバとアクチュエーターを一体化した基板を作ってみました。
可動部にはキャップ(黒くて見辛いですが3Dプリントしたやつ)を取り付けています。

表側

裏側
基板からはみ出している抵抗とコンデンサはチップ品に変更予定です。

ステッピングモーターに入れる信号がどれくらいの速さまで耐えられるか試してみました。
加減速制御をせずに動作させると10mm/S(315μS/step)付近から脱調しますが、等加速/減速させると50mm/S(63μS/step)でも脱調せずに動作しています。
50mm/Sを超えると見た感じの速度が上がっていないので、ArduinoNANO側の動作が追い付いていないのだと思われ、実際はもっと速く動作できるのかもしれません。

TB6608FNGもAliexpressだと100円程なので諸々を入れても200円程で作れます。
色々と使えそう。

ハンズマン ガラクタ市の予想(2025年 秋)

ハンズマンは九州を中心に展開するホームセンター。そこで毎年春と秋に開催されるのが「ガラクタ市」。このブログで何度も紹介しています。
恐らく今年の秋にも開催されることでしょう。

という事で10月になると、ちょっとソワソワしてきますね。
しかし開催日は比較的直前になって公表されるので今年の秋は何月何日に開催かというのはまだ分かりません。

なので予想してみます。

下の表は私が把握している範囲で最近10年程のガラクタ市開始日です(間違いがあったらゴメンナサイ)。

毎回、木曜日に開始して翌週の月曜(又は火曜)までの開催となります。
なお2020~2022年はコロナの影響で未開催でした。

秋の開始日は大体10月後半ですね。2023年だけは11月後半になっていますが、コロナ明け初の秋の開催という事が影響したのかもしれません。
木曜日に開始というのは今回も間違いないでしょう。
10月後半の木曜だとすると今年は10月16日、23日、30日が該当します。なら10月23日ぐらいかなー。

という事で、ほいほい堂本舗的ガラクタ市予想は10月23日とします。

当たるかは知らんけど。

2025/10/13追記

ハンズマンのサイトで発表がありました。今年は10月16日開始だそうです。
(※大阪松原店のみ10月16日開始)
予想は外れちゃいましたね。。。

ミニ四駆をラジコン化 ~その3~ 完成版

だいぶ時が過ぎてしまいましたが前回の続き、ミニ四駆グラスホッパーRC化のその後です。

小中学生向けの組立講座は一か月以上前に実施しており、全員無事動作させる事ができました。
そして車体と送信機、最終的には下記の様になりました。

車体

車体は前回の投稿から、ほぼ変わっていません。

息子が持っていた正規のグラスホッパーと並べたところ。

ミニ四駆RC化でキモとなりがちなステアリング部分、動作が分かりやすい様に動画にしてみました。

4グラムサーボをバッテリーの上に載せ、ここからゼムクリップを伸ばして曲げたリンケージで接続しています。

Android送信機

こちらも前回から殆ど変わっていないのでスキップして・・・

ホイラー送信機

こちらは手の大小にかかわらず扱いやすい様にと、試作を繰り返していたら沼にハマりましたが、最終的には下の形になりました。

裏側・・・

トリガーパーツのストッパーねじ取付け穴は3つ開けておき、手のサイズに応じて3種類の角度から選択できる様にしています。

トリガーやホイールにテンションを掛ける部分の動画です。動画ではトリガー部分のみですがホイール側も同じ構造です。輪ゴムでテンションを掛けておきM3ネジをストッパーにする事で、ほぼ同じ位置にカチッと止まります。

プリントパーツ一式

左の大きなパーツ2個は送信機用。中央より右の5個は車体用。

MDF(レーザーカット)パーツ一式

MDFは送信機側だけで使っています。
左下のホイールのみ5.5mm厚で他は全て2.5mm厚です。

基板一式

左側が送信機用、右側が車体用。

そして・・・

以前書いた様に小中学生に組立講座を行いました。
その際、最後に全員で走らせた風景・・・

3Dパーツ、MDFパーツをアップロードします(その他のデータは追って掲載予定)。

KiCadを使う時にIMEを旧バージョンに下げなければならない問題が解決されていた?

ちょっとニッチな話題ですが、KiCadを使う時のIMEバージョンの話です。

私はプリント基板を作成する際には無料の基板CADであるKiCadを使っています。
このKiCad、随分前(Ver6あたり?)からWindowsで日本語入力をする為のIME旧バージョンに下げておかなければ基板パターン作成中にフリーズするという問題がありました。

IMEを旧バージョンにしておけば特に問題なく動作するので大きな不満はないのですが、他の人にKiCadを薦める際に「IMEバージョンを下げてね」と言うのが嫌だったんですよね。

なお旧バージョンとか新バージョンとか言っていますが、きちんとしたバージョン番号が見当たりません。 Windowsに設定する場合も「以前のバージョンの Microsoft IME を使う」というメニューにチェックを入れる事で旧バージョンに設定していたのです。

最初はKiCad側の問題かと思っていましたが、KiCadのフォーラムによると、どうやらIME自体に問題があって対策が進まないという事みたいでした。
そして今回、久々にフォーラムを見ると下のコメントを見つけました

これによるとIMEのバグはWindows11ではFIXされていると・・・?

では早速Windows11のPCでIMEを新バージョンに戻して暫く使ってみたところ、現時点までフリーズは発生していません。

随分長い間改修されなかったですが、やっぱりIME側のバグだったのですね。
これで安心してKiCadを人にも勧められそうです。

三代目3Dプリンター ELEGOO Neptune4

わが家ではこれまで2機種の3Dプリンターを使用してきました。

一代目はこれ、MakerGear製Prusa mendelキットです。ブログを読み返すと2012年なので13年ほど前ですね。この頃はまだ個人で買える様な完成品は少なく、このキットもアメリカから個人輸入しました。
このプリンターも結構使ったのですが全ネジ棒フレームはちょっとした変更をする時でも大幅にバラして再調整が必要だったので二代目を作る決意をしました。


そして二代目はこれ、こちらは1からの自作です。直動系にはMakerSlideを使い、X,Y方向にシャフトをクロスさせて交点にヘッドがくる仕様にしました。これだとプリントベッドを振り回さないので速度を上げても造形物が剥がれ難いだろうという狙いでしたが、あまり速度を上げるとモーターが脱調してしまい、結局は殆ど速度アップはしていません。
なお、これを作っている頃から世の中では4~5万円で買える完成品が登場しており、そろそろ自作する時代も終わったかなという感じはありました(でも作り始めてたんでそのまま作ったんですが)。


この二代目プリンター、完成当初は結構精度良くプリント出来ていたんですが、最近色々と不具合が出てきて、一番問題なのはホットエンドの先端をつまんで揺らしてみると結構グニャグニャしています。組立当初はもっとカッチリしていたんですが・・・。
このせいで印刷精度が悪くなってきているのです。

詳しく見ていくとシャフトとリニアベアリングの間が少し遊びがあってカタカタと揺れています。
リニアベアリングがすり減ったんですかね。

リニアベアリングがLM8UU(短い方)の頃

これまでリニアベアリングにはLM8UUを使っていましたが、今回交換するついでにLM8LUUに変更してみました。
LM8UUは長さが24mmに対しLM8LUUは45mmなので、よりカッチリする事を期待していたのですが・・・取り付けた結果、あまりガタが減っていません。

LM8LUU(長い方)にしてヘッド部分が少し大きくなった。
なおヘッドの上に載っている青いのはベッドレベリングセンサー

こりゃシャフトの方が摩耗したんですかね?
という事で今度はシャフトを交換しようかとも考えたのですが・・・

AmazonのタイムセールでELEGOOのNeptune4が¥31,150円という広告が入ってきました。
実は職場にNeptune4proがあって結構な速度と精度で動作しているのを見ていたのです。
なお型番にproが付くのと付かないのとの違いは、メーカーのページで見る限りヒートベッドを部分的に加熱できるか全体同時加熱かの違いだけに見えます。

二代目プリンターのヘッドのブレがシャフト交換で改善する保証はないし、その他の細かな不具合の修正を考えると、新品が3万ちょっとで買えるなら、もしかするとこの方が安上がりかもしれません。
という事でNeptune4を発注しました。

すると2,3日程でこんな箱にて到着(玄関に「置き配」してありました)。

そして組立、と言っても何か所かねじ止めして少し調整するだけ。
今まで二代目が居た場所に三代目を設置します。
なお最近はフィラメントの樹脂にはPET-Gを使っています。

では動かしてみます。
最大500mm/Sでプリントできるという事ですが不安なので200m/S程度で。
二代目プリンターは50mm/Sで動かしていたので、これでも4倍高速・・・なのに出力が綺麗!

3Dプリンターを自作する事はそれ自体を楽しむのは有意義なのですが、実用として考えれば「買った方が安くて速い」という時代なのですね。もうすっかり道具として定着したという事なのでしょう。

その内レーザー加工機も「買った方が安くて速い」という時代が来るのでしょうか?
こちらはまだ3Dプリンター程の市民権が無いのでもう少し先だとは思いますが。

レーザー加工機の冷却水を冷却する。

今年は梅雨が6月末に終わってしまい、熊本は既に猛暑に襲われています。

そんなある日、レーザーで加工しようと思ったら水温が30度近くになっていました。
CO2レーザーの冷却水はあまり温度が高いとレーザー管に悪影響があるらしく、改めて検索してみると25度以下が理想、30度以上はヤバイという事が書いてあります。
こんな時、今までは冷蔵庫から氷を持ってきてタンクに放り込んでいました。

我が家ではキャンプ用の水タンク(容量20L)に貯めて使っています。

Suirei2
水タンク


ここに氷を投入しても思った程冷えないし、投入の度にタンクの水量が増えていくので余計に効果が薄くなっていきます。
そこでもう少し効率的に冷却する方法を考えてみました。

冷却システムをつくる。

以前不凍液循環式にするつもりで購入したラジエターがあるので、これにパイプを接続し、ぶら下げる為に電線の切れっ端をねじ止めします。

ラジエターをエアコンの吹き出し口前にぶら下げます。

そしてこのポンプで水を循環させれば水は冷えていくはず。。。。
なお今の所レーザー管に水を流すポンプとは独立したポンプを使っています。

動かした結果。

エアコンをつけた直後の室温表示は34度で水温を測定すると30度でした。
ここからエアコンを23度/強風に設定して水を流し、冷却を開始しました(レーザー加工機自体は停止中)。

当初10分たり2度のペースで下がり始めましたが少しづつペースが落ちて25度まで下がったのは30分後。ここで風の当たり具合を調整した後、1時間後に記録しようと思ったのですが記録し忘れて1時間15分後に見たところ21度まで下がっていました。

これくらいまで冷却できれば十分でしょう。タンクに手を当てるとヒンヤリしているしホースも薄っすら結露しています。

加工前に冷却時間を要しますがタンクの水量を減らせばもっと短い時間で冷却できる筈なので暫く使って問題なければそれも試してみましょう。

何にしても安心してレーザー加工ができる様になりました。

ダイソーの6mm厚MDFがレーザーで切れなくなった。

これまでレーザーカットする素材としてダイソーの6mm厚MDFボードをよく利用していました。 ところが今回新たに購入したボードは全く裏まで貫通していません。

何度か条件を変えて試行錯誤したので表面はコゲまくっていますが・・・

裏側はこれ。全く届いていないのです。

探してみると以前購入したものが3/4程度のサイズで残っていました。写真の左が新、右が旧。

新旧でラベルが違いますね。また新しい方はキメが細かく表面に光沢があり、若干重い気がします。
そこで重さを測って比重を比べたところ、新しい方が25%程重いという結果でした(具体的な数値のメモはどっかに行ってしまった)。
という事は強度が上がり品質的には向上しているのかもしれませんが、レーザー加工的には不向きになってしまいましたね。

なお古い方で試すと問題なく切れました。
ネットで調べると同様の事を言われているのが結構見つかりますね。という事はやはりモノの材質が変ったのでしょう。バラツキの範囲とかではなく何かが変更になっている気がします。

ダイソーのは¥110円でどこでも入手できて良かったのですが。。。
当面はハンズマン(近所のホームセンター)で売られている5.5mm厚MDFを使う事にします。

レーザー加工機不調 ~対策はしたけど謎あり~

先日Grbl(FluidNC)化したレーザー加工機、ある日使おうと思ったら上手く動作しなくなっていました。

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症状

加工機の電源を入れ、PCのソフト(LaserWeb4)から接続してホーミングする所までは今まで通りで正常でした。
次にジョギングでレーザーヘッドの位置を動かそうとしたら、左右には動きますが前後には手前方向にしか進みません。奥方向に進めようとしても手前に進んでしまうのです。

なんでなのか調べる

手前方向には特に異音もなく進むのでY軸モーター(及びその配線)は正常でしょう。
となるとモータードライバまわりを調べる必要があります。
このレーザー加工機のモータードライバはA4988モジュールを使っているのでDIR端子がHかLかで進む方向を決めておき、STEP信号にパルスを入れる度にステッピングモーターが1ステップ進む様になっています。
という事でY軸ドライバのDIR端子を見ると・・・Hレベルが3.3Vが出る筈のところ2.1Vしか出ていません。

念のためモータードライバをソケットから抜いてもHレベルは変わらず。またマイコン基板を加工機から外しブレッドボード上で動かしても変わりません。オシロスコープで見ても直流の2.1Vが出ています。
こりゃマイコンボードが壊れたんでしょうかね?
因みにY軸のDIR信号に使っている端子はGPIO0です。一方X軸ではGPIO14端子を使っており、こちらのHレベルは正常に3.3Vが出ています。

なおマイコンボードはAliexpressにて、3枚959円で購入したものにつき壊れる事もあるかもしれません。 ならば別の基板を持ってきてFluidNCのシステムを入れ、一通り設定を入力してブレッドボード上で動作させてみましょう・・・あれ?これも2.1Vですね。

念のため、Arduinoプログラム環境からGPIO0にHを出力させるだけのプログラムを実行すると、ちゃんと3.3Vが出ています。

なんでだぁ?

ESP32にはソフトウェア的に2.1Vを出す仕組みがあるんでしょうか?データーシートを見てもそんな機能は見つけられません。

対策

暫く悩んだのですが早く加工を進めたいのでY軸DIR信号をGPIO19に変更します。
FluidNCの設定を変更し、基板の配線も繋ぎ直しました。

これによりY軸DIR出力のHレベルは3.3Vとなり加工機のヘッドも正常に前後に動く様になりました。

で、なんで?

結局根本原因は何だったんでしょう?
実行するプログラム次第では正常電圧が出るのでESP32が壊れたという事ではない気がします。
しかしプログラムによってHレベルが下がる事ってあるんでしょうか?
オシロスコープでも見ましたがPWM的な動作をしてデューティのせいで下がって見える訳でもありませんでした。

どなたか分かる方、おられますか?

ミニ四駆をラジコン化 ~その2~

前回、タミヤ模型のミニ四駆(グラスホッパーJr)をラジコン化している事を書きました。
その続きです・・・

まず基板を作りました。できる限り小型にしてESP32-C3を載せています。
表側・・・

裏側・・・

このサイズだと何とかボディーに収まります。

まぁボディー当たる部分をカット & 前の部分を少し浮かしていますけど・・

そして送信機。Androidアプリ版の開発はそのまま続けていますが・・・

単体版送信機はホイラー仕様にして写真の様になりました。
これにもESP32-C3が載っています。

ホイラー送信機の裏側。ボリュームを使ってます。

やっぱりホイラー型だと操縦し易いですねー。
動画にしてみました(運転は下手ですが)。

大体動作はOKですねー。
前回書いた様に小中学生相手に組立教室的な事をやる予定なのですが、表面実装部品とかの難しい所はこちらで実装しておく必要がありますね。