先日から古い無線機の修理にハマっており、TS-520D、IC-501に続きFT-708にも電源を入れてみた。
この機械は大昔に貯金をはたいて新品で買ったものなので回路図はある。
八重洲無線の430MHz FM機 FT-708。 横に置いているのはバッテリー
今回は特に故障はしておらず、すんなりと立ち上がった。
しかしバッテリーは充電不能である。30年くらい経過しているので当然といえば当然。
このバッテリーは10.8V仕様でNi-Cd×9本直列である。単三サイズより一回り太くて短いセルが入っている様で、この外形に単三×9本は納まらない。3セルのリポを使う事も考えたが、過放電防止回路を極力未使用時にリークさせない様に作るのが難しい。(本体の電源SWを通った後に回路を入れられればいいんだけど、これも狭くて難しそうなので・・・)
そこで単四サイズのNi-MHをジグザグに並べてみると何とかこのサイズに納まりそうである。
まずはAutodesk123dで電池ボックスを描いてみた。
Autodeskで描いた電池ボックス
電極はこういうのをホームセンターで買ってきた。このままだと隣とショートするので不要な部分はニッパーで切り落とした。
電池ボックスの電極
TAKACHI製 IT-4WPとIT-4WM
電極が納まる溝をBOX側に設けてはあるが、3Dプリントしたら埋まってしまう可能性大。
でもとりあえずプリントしてみた。
プリント開始
3Dプリンタ2号機はまだ完成していないので
相変わらずPrusaMendelである。
案の定、溝は埋まっている。しかもカッターナイフで溝を掘り直そうとするとパキパキと折れてしまった。だがこれも想定内。 電極を一旦両面テープで張り付け、3Dペンで周囲に樹脂を盛り、更に熱したマイナスドライバーで押しつぶして固定した。
完成図。
動作確認のため、あり合わせの単四Ni-MHを9本かき集めて電池BOXににセットした。
容量の違うバッテリーを混ぜるのはよろしくないが、とりあえずこれで動作させてみる。
バッテリー挿入!
そしてリグに装着!
電源を入れると問題なく動作を開始した。 FT-708復活!
オリジナルのバッテリーは470mA/hなので大幅に容量がアップしたはず。
ところでこのFT-708は後に発売されたFT-708Rと違ってリピータには非対応だった。そこで当時88.5Hzのトーン発振器を組みこんだのだが送信音声に乗せる部分が上手くできていなかった。
88.5Hzのトーンエンコーダ。
秋月電子かどこかのキットだったような気がする。
SHIFT設定のロータリースイッチには秘密のポジションを増設してあり、このポジションにするとトーンエンコーダがONになるのだ。ここまでは昔やっていた。
ロータリスイッチの秘密のポジション
問題は88.5Hzのトーンをどこから入れるかである。
回路図によるとマイクアンプと変調器の間に「TONE SQ IN」という端子があるが、当時は基板上での端子位置が確信を持てずに接続しなかった記憶がある。
今回は目ぼしい端子をオシロスコープで見ながら送信してみた。すると確かにマイクからの信号が載っていたのでここに接続することにした。
結果は当たりで、近所のリピータへのアクセスができる様になった。
これで完了とするのだが・・・この古くて重いハンディー機を本当に使うのか??