Category Archives: LaserCutter

レーザー加工機Grbl(FluidNC)化 ~5~

レーザー加工機の制御をLinuxCNCからGRBL(FluidNC)に変更する件の続きです・・。

前回までで思惑通りの動作が確認できたので、コントローラー基板を最終型として作り直したいと思います。

なお前回までは下図の構成でした。
元々LinuxCNCとパラレルポートで接続していた制御基板から パラレルケーブルを外して代りにGRBL基板を接続するというもの。 モータードライバやレーザー制御用フォトカプラ等は旧制御基板に載せたままなので手軽にGRBLを試す事ができました。

しかし、このままだと配線がグチャグチャで邪魔になるし、次に壊れたら絶対色んな事を忘れていて苦労するのが目に見えています。
そこで全部を1枚の基板に入れて作り直したいのです。

回路

回路図はこれ。

(後日の自分のために)簡単に説明すると・・・

  • 電源は5V(制御用)と12V(動力用)の2系統を入れます。
  • Z軸は使いませんが将来の為にパターンだけ作り、不要な部品は載せないでおきます。
  • ESP32のピンアサインは前回とは若干変更しています。
  • センサー類はX,Y,Zのリミットスイッチに加え、E-Stop、水流センサー、ドアオープンを備えます。
  • センサー類は全て通常運転時がL、異常時とかリミットスイッチに当たった場合はHになります。
  • リミットスイッチ、E-Stop、ドアオープンは5Vにプルアップしており、通常運転時はスイッチでGNDに落としてLとなり、異常時(及びリミットに当たった時)はSWが離れてHになります。
  • 水流センサーは今まで動作が異なっていたので運転時(水が流れている時)にLになる様改造しました(これはHかLが出てくる)。
  • センサー類は全てESP32に接続していますが、水流センサーとドアオープンについてはFluidNCで無視しており、基板上でレーザーをOFFするに止めています。
    水流無しやドアオープン時でもモーターは動いてほしい為ですが、将来的には変更するかもしれません。
  • レーザーパワー制御のPWMには速度が速いTLP2745を使っています。
  • 予備入力のExtensコネクタは当面ジャンパでショートして使います。

基板パターン

下記のパターンで作成。ちょとサイズが大きくなってしまいました。
片面基板なので、赤色線はCAD上では表面配線ですが、実際にはリード線をはんだ付けします。

FluidNCの設定ファイル

参考に→configRev2.yaml

部品実装・加工機本体に接続

組み立てました。

んー。この辺りに固定したいな・・・

基板を固定する為、加工機のテストを兼ねてこういうパーツをMDFから切り出して作りました。 これに基板を載っけて取付けようと思います。

あ、ナットを止めるスペースがない・・・

仕方ないのでケースを少し削ってナットのスペースを確保。

加工機に取り付けました。見やすい様に傾けて固定。

あ、こんどはUSBコネクタを挿すスペースがない。

USBコネクタは・・・どうしましょう。。何か考えます。

レーザー加工機Grbl(FluidNC)化 ~4~

また謎が発生

前回、CO2レーザーの出力を0にした時にもレーザーが漏れ出るという問題で、下図の47KΩを少し下げて対策したのでした。

この時、出力設定を17%程度にしたあたりからレーザーが出始める様になったので、もう少し調整して0%に近い所から出る様にしようと考えました。

前回の対策では47KΩを下げる為に220KΩを並列に接続した事で合成抵抗を38.7KΩにしていました。実はこの場合のざっくりした計算では5%程度からレーザーが出始めると見込んでいたのですが大きく違います。こうなるとカットアンドトライで並列抵抗を大きくしてみるしかありません。そこで510KΩとか1MΩを付けてみたのですが・・・出力開始点が少ししか下がってこないのです
なんか変です。そこで並列抵抗を外して元に戻したところ、これでも10%程度からしか出てきません

そもそも0%でもレーザーが出てしまうという問題だったのですが症状が消えてしまったのです。

なぜ?

やった事といえば電源をバラして下の写真の様に抵抗をハンダ付けしただけです。

この2点のハンダを溶かし直した事で何かが変わったのでしょうか?

そこで改造前の写真を丹念に拡大していくと・・・なんかこのハンダ付け怪しく見えませんか?

今となっては確かめる術がありませんが、ここが接続不良で数KΩ高くなっていたとしたら辻褄が合います。

本来47KΩのところが少し高めになり、そのため1IN+の電圧が僅かに下がります。するとアンプ1の出力が少し下がってレーザーをOFF出来なかったと。。。そこに抵抗を並列に付ける時にハンダを溶かし直したので接触が回復して本来の値に収まったと。。。

真相は分かりませんが現時点は元の抵抗値のままでレーザーをOFFにでき、出力開始点は10%程度になっており、多分これが本来の姿です。

うーん。何だったんだぁ?

レーザー加工機Grbl(FluidNC)化 ~3~

前回の続きです。
前回はレーザー加工機のコントローラーをLinuxCNCからFluidNCに変更したところ、ラスター描画が上手くいかないという状態でした。 LinuxCNCの時はレーザーパワーは固定し(ボリュームで手動設定)、出力のON/OFFのみスイッチングしていましたが、今回レーザーパワーをPWMで制御する方式に変更して写真の描画も目論んでいるのです。

ラスター描画の状態。

描画した結果が下の状態。縦線と三角形だけ描画したいのですが、絵が無い部分も焼けており、S0状態なのにレーザーが漏れ出ている様です。(S0は本来スピンドルの回転数を0にする命令ですが、ここではレーザーパワーを0にする意味となる)

ならばとS0の時にレーザー電源出力をOFFにする様「disable_with_s0」「true」に設定して同じGコードを実行したのが下の状態です。

こちらは往路と復路で位置が大きくずれています。

なおS0というのは下図レーザー電源のIN端子に入れる電圧を0Vにするという事で実際にはPWMにてDuty0%(常にL)を入れています。そして電源出力OFFとはK+、K-間を切断する事を意味します。

LasePS

まあ「disable_with_s0=true」で上手くいったとしても最小出力付近の制御が出来なくなるでしょうから、やはりS0時のレーザー漏れを無くすのが本来の道でしょう。

レーザーお漏らしの調査

なんでS0時にもレーザーが漏れ出てくるのか。まず疑ったのはPWM波形が綺麗なLになっていないんじゃないかという事。しかしオシロスコープで見たところはちゃんとLに見えます。でもLレベルが微妙に浮いていたりノイズが乗ってたりする可能性もありますよね。
そこでレーザー電源のIN端子をGNDに短絡して動作させてもやはり漏れ出ていました。ということでレーザー電源側の問題と思われます。

レーザー電源の調査

レーザー電源内部の問題っぽいですが20KV前後を出力する電源なので迂闊に触るのは危険です。

注意:ここから下はレーザー電源の蓋を開けていじくります。レーザー電源の内部はかなりの高電圧な部分があり危険です。これを参考にして同様の作業をされる場合には十分に注意してください。もし事故が起こってもこちらでは責任を負えません。

まずは情報収集から。ネット上で検索して同様な問題で困っている記事を探しましたが見当たりませんでした。
しかし「マーティの工房日誌」さんの所ではレーザー電源をバラして回路図まで描かれており、これが素晴らしく参考になります。
但し40WのCO2レーザー用という点は自分のと同じですが、中の基板は異なります。でも大体の構造は同じですね。

一応自分の電源についても見ながら、レーザーパワーの制御部分を回路図にしてみました。これには基板を裏と表から写真を撮り、下の様にPC上で裏面だけ反転表示にすれば配線を追いやすいのです。
なお部品面の配線は見えない部分もあり、実物を見ても分らない部分はマーティさんの資料に従いました。

制御ICはマーティさんの電源と同じTL494のSOP版で、周囲の回路もほぼ同じですね。

パワー制御の動作概略

TL494のデーターシートには下図の様なブロック図が掲載されています。
ざっくり言うとPWMコンパレータの出力がLになった時にレーザーが出ます。そしてPWMコンパレータは発振器のCT端子から来るのこぎり波とエラーアンプから来る信号を比較しています。

のこぎり波は反転入力なので、エラーアンプ信号よりものこぎり波が高い時にコンパレータ出力がになりレーザーが発射されます。
そしてデーターシートの記述によるとのこぎり波は0~3Vで変化しますが、図中に0.7Vが加えられているので0.7~3.7Vで変化する事になります。

図にするとこんな感じ。

今回はレーザーを全く出したくない時に少し出てしまうという問題なので、エラーアンプ出力が3.7Vよりも高くなっているべき所がどうなっているかを中心に見ていきます。

ではマーティさんの回路図と自分の実物を見比べながらエラーアンプ回りの要所のみ書き出したのが下の図です。

まず入力のPとINは両方共0Vの状態です。
エラーアンプは2個ありますが2側は使用していません(無効化するのに両入力とも0Vでいいのかという疑問はありますが動作しているので先に進みます)。
エラーアンプ1側はIN信号をゲイン1倍で反転増幅し、基準点は47Kと24Kの分割電圧となっています。
フォトカプラPC817も少しは電圧降下がある筈ですがデーターシートのグラフでは細かいところまで読み取れません。とりあえず0.1Vとしておきます。
するとIIN+は1.76VなのでINが0Vの時FBは3.52Vとなり、レーザーをOFFできる電圧3.7Vを超えていません
これが原因なのか???だとすれば経年劣化とかではなく自分以外の所でも同じ事が起こっていそうですが・・・

レーザー電源改造

とりあえず試してみましょう。それにはIIN+が現在1.76Vなのを1.85Vにしてやりたいです。その為には現在47KΩの抵抗を43KΩに交換すればよいのですが、手っ取り早くやるために手持ちの220KΩを並列に付けてみました。これだと合成抵抗38.7KΩでIIN+が1.97Vとなり、ちょっと上げ過ぎ感はありますがまずは試しです。

やってみたところ予想通りS0部分のレーザー漏れは無くなりました。

折角なので写真を描画してみます。(いつだかのHONDA-Jetの写真)
・・・中間色が全く出てませんね。

どれくらいのS値から出力が出るか調べていくと最大に対し17%程度からでした。もう少し抵抗値を詰めた方が良いかもしれませんがLaserWeb4の出力範囲を調整していくと・・・

結構写真っぽく描画できましたね。

そして・・・

抵抗値、どうしましょう?1~2%程度からレーザーが出る様に調整したいですが沼にハマりそうです。半固定抵抗になってれば良いのに。

またINへの入力は0~5VのPWMですがリニアに反応する範囲は3V幅という事になります。これ仕様なのかな?確かにボリュームで調整していた頃も70~80%付近から上は最大電流になってしまい変化しなかった様な(更には最小でもレーザーが出ていましたね)。
エラーアンプ1のゲインを下げて5V幅フルに反応する様にしてみたい気もします。。。

あと気になっているのは出力電流のリミッター的なフィードバックが1IN+に入っている様です(すみません、上の回路図では省略していますがマーティさんの回路図には載っており半固定抵抗DLで調整できる様です)。
この調整がずれてないかなというところを確認していませんでした。以前はほぼ20mAジャストが流れていたのでずれていたらDLを調整してみようと思います。

・・・という事でレーザー加工機のGRBL化はもう少し続きそうです。

レーザー加工機Grbl(FluidNC)化 ~2~

前回の投稿では「レーザー加工機のPCが立ち上がらなくなり、この機会に今までLinuxCNCで制御していたのをGRBLに変更しようと検討していたらPCが復活してしまった」件を書きました。
しかしGRBL化はその後も続けていて、途中色々とハマりながらも使える様になってきたのでその備忘録です。
なおGRBLといっても最近は32bitマイコン上で動作するものが多数リリースされているので、今回はESP32で動作するFluidNCを使う予定です。
※以下ではGRBLとFluidNCという単語は同じ意味で使っています。

まずは今までの制御回路を紹介

今までは古いPCにインストールしたLinuxCNCから、写真の基板にパラレルポート(プリンタポート)で接続していました。しかし今どきパラレルポートを備えたPCは見掛けないので、いつかはUSB化する必要があります。
なお「USB-パラレル変換ケーブル使えば?」と思われるかもしれませんが、これだとタイミングの問題があってダメなのです。

LaserCutterController

この基板は下の回路になっていて、左側の36ピンコネクタがパラレルポートです。
このパラレルポートにGRBL基板を繋いでやれば手っ取り早くできそうです。
なお変更点として、これまでレーザーのON/OFFはZ軸モーターの方向信号が下向きだったらON、上向きだったらOFFとし、レーザーパワーはレーザー電源にボリュームを接続した人力設定としていました(これだとCNCフライスで切削するGコードで済むのです)。
今後はGコードのM3,M4,M5命令でレーザーをON/OFFさせ、S値でパワーを決める様に変更しようと思います。

レーザーコントロール回路

FluidNC基板

FluidNCはESP32マイコン上で走るので下の様な回路を描きました。ESP32は先日3枚959円(送料無料)で買ったDevKitボードを載せることにします。
この図の36ピンパラレルコネクタを上図のパラレルコネクタに接続する訳です。
一応、水流センサーとドアオープンセンサーの端子も載せていますが、当面これらのセンサーは元の基板に接続した状態で使う予定です。

そして作った基板がこれ。
コネクタ付きフラットケーブル(45cm)はいつだったか10本入りのジャンクを買ったもの。これまで電線取り用途にしか使っていませんでしたが、今回はコネクタも含めて使用します。

こんな感じで元基板とGRBL基板とを接続しました。

元の基板を少し改造

なおESP32は3.3Vで動作しますが元基板R1~4のプルアップ電源は5Vです。抵抗が100KΩと大きいのでESP32の保護ダイオードが効いて3.3V+α程度に収まる事を期待していましたが、やってみたら5V近くまで上がっていました。たぶん壊す事はないと思いますが定格を超えているので念のため対策します。
これにはプルアップ電源をパラレルコネクタの18ピンに接続し、GRBL基板から3.3Vを貰う様に改造しました。

FluidNCをインストール

下記リンクページに書いてある通りにダウンロードしてバッチファイルを実行すればインストールできました。
http://wiki.fluidnc.com/en/installation
なお書き込むバイナリには3種類あり、「無線LANを使う」「Bluetoothを使う」「無線は全く使わない」に分かれていて、私は無線LAN版を書き込みました。

FluidNCの設定

インストールが終わったら設定です。
FluidNCの設定にはコンフィグファイルに書いて読み込ませる項目と、(WiFi設定の様に)コンフィグファイルに含まれない項目があります。
モーター制御やホーミングの情報設定はコンフィグファイルをconfig.yamlのファイル名で作成してWebインストーラーからアップロードします。
なおWebインストーラーは下の画面から入ります。Connctを押してCOM*番号を選び・・・

そして下の画面が出たら「File brouwer」を押してアップロードします・・・

実際のコンフィグファイルは夫々のマシン毎に違うでしょうけど、ウチのを参考に載せておきます。
config.yaml

なお無線LANの設定はコンフィグファイルには含まれてなくて、下図の様に直接Webインストーラーから設定します。

座標位置が表示されない問題対策

また実際に動作させてみたらレーザーヘッドの座標位置がLaserWeb4に表示されませんでした。どうやらFluidNCがレポートする情報がLaserWEB4が想定しているものと違うらしく、WebインストーラーのTerminalから次のコマンドで設定を変更する事で表示される様になりました。

$Report/Status=2

LaserWeb4をインストール

PC側のソフトはLaserWeb4を使う事にします。これはPCからGRBL基板にGコードを送るので「センダーソフト」と言われるものです。
またこれまでGコードはNCVCで作っていましたが、LaserWeb4はGコード生成もやってくれるので作業の手間が省けることを期待しています。
更にLaserWeb4とFluidNCの組み合わせなら、PC⇔ESP32間を無線LANで接続できるので、今まで使っていたLinuxマシンを使わず、少し離れたメインPCから接続できてとっても便利になる予感です。
LaserWeb4のインストールはインストーラーをダウンロードページから取ってきて実行するだけでした。

LaserWeb4の設定

まずは起動します。

ウィンドウ左側の「Settings」ボタンを押すと下図の様に幾つかのカテゴリに分かれたメニューが現れます。この中で今回書き換えたのはMachine ProfileMachineGcodeの3カ所です。

それぞれ次の様に設定しました。

〇Machine Profile
 Machine Id:HOIHOI-Laser ←装置名

〇Machine
MACHINE WIDTH:435mm ←X方向の最大値
MACHINE HEIGHT:350mm ←Y方向の最大値

〇Gcode
 GCODE END:
  M5 ; Disable Laser/Spindle
  G0Z1.0
  G0X0Y0
  G30
 TOOL ON:
  M4
 TOOL OFF:
  M5
 PWM MAX S VALUE:
  255

LaserWeb4とFluidNCの接続

ここまで来たらLaserWeb4とFluidNCを接続します。
といってもインストールの時点でPC-FluidNC間にはUSBケーブルを接続していましたよね。もしWebインストーラーとFluidNCが繋がったままなら切っておきます。
このままUSBで接続するにはLaserWeb4のCommsメニューを開きます。USB/SERIAL PORTのところは自分の環境のCOM*を選択して「Connect」ボタンを押すと・・・

右下に「接続したよ」っぽいメッセージが出て繋がった事が分かります。

でも折角なので無線LANで接続してみます。これには「MACHINE CONNECTION」をTelnetに変更してIPアドレスを設定しConnectを押します。

これで基本的には接続OKなのですが、我が家のレーザー加工機はWiFiアクセスポイントから少し距離があり、GRBL基板の前に人が経つと接続が切れたりしました。
これではマズいので工作室にWiFiアクセスポイントを増設する事にします。
という事で2ndSTREETに行って買ってきました(税込¥1210-)。これをアクセスポイントにすると安定して接続できる様になりました。

ベクターカットしてみる。

その他の色々とハマった部分は省略してベクターカットの実行です。ここからは順を追って・・・

まずjw-cadで下の様なテスト用の図を描きました。従来もそうでしたがカットする線と補助線とはレイヤーを分けておきます。
なおNCVCの場合だとレイヤー名に決まり(カットするレイヤーは”CAM01″等)がありましたがLaserWeb4の場合は後でカットするレイヤーを選択するので特に必要ありません(分かりやすいというメリットはあるけど)。
そしてdxf形式で保存し、念のためjww形式でも保存しておきます。

LaserWeb4の画面に戻り、Filesメニューから「Add Document」ボタンを押すとファイルセレクションが開くので、先ほどのdxfファイルを選択します。

この時点で画面上に図形が見える場合もありますが表示範囲を超えていて見えない場合もあります。そこでファイル名の部分(図では「テストカット.dxf」)をクリックすると、何やら数値を入れる小窓が開きます。ここでX-Min、Y-Minが図形を置く最小座標値なので5mm程度の小さめの値を入れると原点に近い場所に図形が移動します。
なお表示がシマシマ線なのは現在選択中の印です。

そしてカットしたいレイヤーだけを選択する為、ファイル名左側の「+」印を押すとファイルに含まれているレイヤーがそれぞれ表示されます。この中からカットしたいレイヤーをマウスでドラッグし、少し下にある「Drag document(s) here to add」にドロップしてやるとそのレイヤーがカット対象となり下に設定画面が開きます。

ここでレーザーパワーやカットレートを入れて・・・

「Generate」ボタンを押すとGコードを生成します。生成したコードを確認したい場合は目玉マークをクリックすると表示されます。

これで準備完了。
Control画面に戻って「Home all」を実行後、「run job」を押すと加工機が動作し・・

カット完了です。
だいぶお手軽に作業できる様になりましたね。

ESP32 Devkit基板への電源供給について

ここまでESP32基板へはUSBケーブルから給電していました。無線LAN化後も電源供給だけUSB電源を使っても良いのですが、スッキリさせるために加工機側から5Vを供給する端子を追加しました。

次、ラスター描画をしてみる。

みら太氏のブログによるとLaserWeb4によるラスター描画は動作が遅い上に上手く描画できなくてLightBurnに移行したという事が書かれています。LigutBurnはメチャ良いらしいですが有料ソフトなので、どちらにしても一旦LaserWeb4を試してから検討する事にします。我が家の用途では99%がベクターカットですしね。。。

という事で、とりあえずLaserWeb4でラスター描画をやってみました・・・が、案の定上手くいきません。

こういうテストパターンを描画したのですが・・・

結果がこれ。
レーザーOFFのところでも弱く漏れ出ている感じです。

レーザーの強弱はレーザー電源にPWMを入れる事で制御しており、この辺りが上手くいっていないのかも。。。

ならばとFluidNCの設定を「disable_with_s0=true」にしてみました。この設定をtrueにするとGコードの命令でS値を0にした際、(M5命令同様に)出力も止めるという意味になります。
なんか言葉では説明し辛いですね。下図のレーザー電源図でいうとINに入れるPWMを0に設定した時にK端子も一緒にOFFになるので完全にレーザーが出なくなる筈です。

LasePS
レーザー電源

この設定で同じGコードを実行したらこの様になりました。

不要なお漏らしは消えていますが、往路と復路でレーザー発射点がずれているっぽいです。上記みら太氏のブログでも往復でずれると言われているのはこの症状かもしれません。

この後色々とイジって現在は何とかなったのですが、そのあたりは次の投稿で・・・

レーザー加工機の制御PCが壊れてGrblへの変更を検討した件

先日スーパーカブのガスケットを切り出そうと思い、レーザー加工機を立上げようとしたらPCがOSを読み込めませんでした。 BIOSを開いてもハードディスクを認識していないのです。

操作パネルが無くバラバラ
正常だった頃の加工機

これはマズいです。レーザー加工機なしの生活は考えられません。
このPCはかなり古いPentium4時代のマザーボードを未だに使っており、LinuxCNCをインストールして加工機を制御していました。なので加工機との接続も化石の様なプリンターポートなんですよね。
一応LinuxCNCの設定ファイルはバックアップしてあるのでハードディスクを交換して入れ直せば良いのですが、そろそろUSBの時代を迎えたいと思いGRBLへの変更を検討しました。

GRBL検討

GRBLはArduinoUNOでCNC類を制御するオープンソースプロジェクトで、かなり前の投稿でも検討していました。→https://www.hoihoido.com/blog/LaserCutter-18/


しかしこの時は非常停止ボタンや水流センサーを接続する異常検出系の端子が足りなくてどうしようか考えている内に放置してしまったのです。


今回改めて調べるとGrblでもArduinoUNOを使うのはレガシーで、最近は色々な32bitマイコン上で動作させるのが普通になっている様です。
この中からESP32で動作させるFluidNCというのが良さそうです。というのも先日Aliexpressの安売りでESP32ボードを3枚959円で購入しているのです。

激安のESP32ボード。1枚あたり320円。
ちゃんと技適マークがついてるけどモジュールに書いてある文字が少ない気がする。
でも動作はしている。

このESP32ボードにFluidNCを入れ、その出力を現行制御基板のパラレル入力に入れてやれば安上がりかと考えています。

LaserCutterController
現行の制御基板

あれ、PC動いた。

という感じでFluidNCの検討を始めたのですが、ふと気になり壊れたPCのBIOS設定を確認したらS-ATAを使用しない設定になっていました。このマザーボードはS-ATA規格の出始め時期だったので(こんな基板いつまで使うねん!) S-ATAを使うかどうかという設定があって初期値は「使わない」だったのです。で、これを「使う」に変更したらあっさり立ち上がりました。時計は正常に動作していたので疑っていなかったのですが、翌日CMOSチェックサムエラーも出だしたのでボタン電池(CR2032)の電圧を見たら1.5Vでした。一瞬「電圧あるやん」と思ったけど、よく考えると3Vが正常ですね。半分しかありません。

という事でボタン電池を交換して復活したのですが、GRBL化の検討はこのまま進めたいと思います。また放置になるかもしれませんが。。。

ふる~いソケットレンチセット

このふる~いソケットレンチセット・・・安物ですがウン十年使っています。

かなり前から中のプラスチックがボロボロで工具のおさまりが悪くなりました。

プラスチックだけ取り出すとこんな感じ

そこで作り直す事にします。
まず大体の寸法を測ってJw-cadで図面を書いて・・・

ダイソーの6mm厚MDFボードをレーザーでカット。

こんな感じで納めます。

しかし6mm厚MDFだけだとちょっと薄く、取っ手を持って歩くとケース内で工具がバラけます。
そこで蓋側にプチプチを貼り付けて対策しました。

いままでソケットがバラバラでどこに何㎜のがあるかわからなくなっていましたがこれで大丈夫。

レーザー管劣化

レーザー管が劣化してしまいました。

いきさつ・・・

前に冷却水をこういうのにした事を書いたのですが・・・

Water2_7
不凍液を電動ポンプで回し、ラジエーターで冷却していますが
水流がちょっと弱めでした。
手押しポンプが付いているのは電動ポンプまで水を通す為です。

あまり冷却が弱いとレーザー管が劣化するという事を読んだので直ぐに元の風呂水ポンプに戻していました。

今まで使っていた風呂水ポンプ

この状態で使っていても徐々に劣化感はあったのですが、先日MDF材を切っていたら途中でレーザーが出なくなっていました。みるとポンプが壊れてセンサーが水流を検出しなくなり、レーザーを停止させていた様です。

水流センサー
水流センサーのインジケーター

ポンプはもうウンともスンともいいません。でもこれは予備として買っておいたこちらの水中ポンプに交換します。

いつだか買っておいた水中ポンプに交換。

これで水は依然よりも良く流れるようになったのですが・・・・レーザーが弱々しくなり、フルパワーでも2.5mm厚のMDFが切れなくなってしまいました。

水流センサーが働いてレーザーは止まっていた筈ですが、余熱が逃げないだけで劣化してしまうのでしょうか?

ためし撃ち
購入時の試し打ち風景。
ブログを見返すとこのレーザー管は2015年に購入しています。
約5年使ったと考えれば諦めもつくかな。

という事で・・・

とりあえずレーザー加工機のない生活は考えられないので新たなレーザー管を発注しましたが、新型コロナで世の中おかしくなっているこのご時世、いつ届くのでしょうか?

レーザーカットしてマスクを作ってみた。~その2~

先日のマスク作成の続きです。

前回のデーターは片方のパーツを裏返し忘れていました。材料となる生地に裏表の区別がなければ特に問題はないのですが、区別がある場合は面倒になるので修正データを作りました。

また私にはサイズが小さい感じがしたのと鼻の横に隙間ができるので改良しようと思います。まず全体を10%大きくし、鼻側をちょっと広く取る事にします。あと縫い合わせがし易い様に2枚を中央で連結させてみました。

早速改良版をカットして縫います。

鼻の横には使い捨てマスクから取った針金を入れてみます。

大小並べて撮影。もうちょっと明るい色の生地にしようかな・・

まだミシンに慣ませんがなんとかできました。

今回のカットデータです。
<前回サイズの修正版>
MASKDATA2.jww
MASKDATA2.dxf
<サイズアップ版>
MASKDATA3.jww
MASKDATA3.dxf

レーザーカットしてマスクを作ってみた。

新型コロナウィルスで世の中えらい事になっています。
オリンピックもMakerFaireKyotoも中止だそうですね。(オリンピックは中止ではなく延期でしたね。訂正します。)
熊本でもマスクは全く手に入りません。仕方ないので使い捨てマスクを洗って消毒して使いまわしていますが、あまり何度も使えるとは思えません。

そんな中、家族がダイソーに行ったらマスク自作用の型紙を配っていたそうで、1枚もらってきました。

いずれ大量に作る必要があるかもしれないので、これをJw-cadに入力してレーザーカットしてみます。

これを2セット、合計4枚を切り出します。

適当な布をセットして・・・

布がラクダ色っぽい・・・

布を切るのは初めてなので条件設定を探りながら・・・
速度はF1200、レーザーパワーは40%で切りました(なおウチのレーザーは40WのCO2ですが最近パワーが下がってきている気がしています)。
でもまあ相手は布なので問題なく切れました。

4枚で一組のマスクになります。

そして不慣れなミシンで縫ったのがこれ。

二重構造で本来は中央と上下の縫い目を内側に折り返して見えなくするのですが、間違って縫ったのでどちらかの縫い目が表に出てくる様になってしまいました(上下の切り口がギザギザに見えるのはその為です)。
嫁曰く「初心者がやりがちな事」だそうです。

Jw-cadとDXFのデーターをアップしておきます。
MASKDATA.jww
MASKDATA.dxf

レーザー加工機の冷却水~不凍液投入~

先日水冷システムを変更したレーザー加工機ですが、冷却液には水道水をそのまま使っていました。今は5月なので凍結の心配はありませんが、その前にカビやコケが生えると嫌なので、ちゃんとした冷却液に入れ替えます。

冷却液には何を入れようかとネットで調べると、自動車用でよく使われているエチレングリコールというのは毒性があるそうなので漏れた時が嫌で使いたくありません。グリセリン系というのもあり無害でそのまま下水に流せるそうですが粘性が高いとの事。

このあたり素人で良くわかりませんが、プロピレングリコール系というのが毒性が低いとの事なのでこれを買ってみました。カビやコケの防止効果があるかどうかはわかりませんが・・・。

water2_1

プロピレングリコール系冷却液”コガブラインPG40”。Amazonで¥923-

早速リザーバータンク(として使うペットボトル)に入れてみました。かき氷のイチゴシロップみたいでおいしそう。

water2_2

約2リットル投入。

で、接続してみます。

water2_3

全体がピンク色。

電動ポンプをONにしといて灯油ポンプでプライミングしてやると循環し始めます。
しかし水道水の時と比べて流量が明らかに減っています。やはりこれも粘度が高いのでしょうか?水流センサーも反応しません。

水流センサーの出力を見ると6.89Hzです。センサーは10Hz以上を流量有りと判定する様にプログラムしているのでこれでは反応せず、このままではコントローラーがレーザー発射を止めてしまいます。

Water2_3

水流センサーの出力

レーザー管にどれくらいの水を流す必要があるのか分かりませんが、今までフルパワーで動かしても特に水が温まる感じも無かったので、とりあえずこの流量でもいいんじゃないかと(ええかげんやなー)、センサー閾値の方を4Hzに落としました。

と、一旦これで良しとしたのですが、やはりちょっと不安なので冷却液に精製水を混ぜて濃度を下げる事にします。冷却液を500ml抜いて代りに精製水500mlを入れました。冷却液そのままだと凍結温度が-25℃ですが、さすがにそこまで冷える事は無いので多少薄くなっても大丈夫でしょう。

Water2_5

精製水500ml。
ドラグコスモスで¥98-で購入。割安な気がしましたが元は水ですもんね。

これで若干ですが流量が増えています。センサー出力も9Hzにアップ。

Water2_6

不凍液を薄めた後の水流センサー出力。約9Hzにアップ。

なおこの水流センサー(YF-S201)は以下の式で周波数が決まる仕様になっています。
 Frequency (Hz) = 7.5 * Flow rate (L/min)
という事は9Hzだと、9÷7.5=1.2L/minとなります。適正値が判りませんが少ない気もするので
温度に注意しながら使ってみます。

Water2_7

何だか、派手な色が入り混じっています。