カブ系エンジン用自動進角CDI自作の続きです。
先日の自動進角CDIですがサイズが大きくてカブに積み辛かったので小型化しました。
またコントローラーとの接続がパラレル接続だと線を伸ばし難かったので、シリアル接続に変更する事で扱いやすくします。
シリアル接続するにはコントローラ側にもマイコン(本体同様ATmega328p使用)を載せる必要がありますが、配線を伸ばせるとコントローラーをハンドル近くに設置してタコメーター代わりにも使えるのです。
回路図
まず本体側・・・
シリアル化によりコントローラーとの接続本数が減ってスッキリしています。
そしてコントローラー側。
こちらはマイコンを追加しています。また本体からケーブル経由で12Vを供給するので、コントローラー内に5Vを作り出すレギュレーターも載せています。
ケーブルを通す電源は5Vにしても良かったかな?LCDのバックライトに比較的大電流を流すのでレギュレーターを通す前の12Vを使ったんですが。。。
そして本体基板のパターンを設計。
なお図では両面基板ですが実際には片面基板に切削して表側(赤色)パターンはジャンパーで配線します。
シリアル接続にした事でコンパクトになり、ほぼ純正CDIと同じサイズにできました。
追記:前回はArduinoNANOの基板を載せていましたが今回はATmega328Pを直接実装したのでこれも小型化に効いていますね。
基板はいつもの様にCNCで切削します。
ところで切削で使う刃物は以前からオリジナルマインドさんで売られている「土佐昌典VC」を使っていますが、だいぶ前から使っているので刃先が劣化して切り跡ががケバ立ってきました。
これ、最近オリジナルマインドのページで見つけられなかったので販売が終了したのかと思っていましたが実は探し切れていなかっただけで、またちゃんとあった事が判り、今回新たに購入しました(1本¥2980円。これ凄くイイんですがちょっとお高いんですよね)。
まあとにかく切削実行!・・・結果、下の写真の様に上下に2回切っていますが、下側は深さ0.15mmで切削したら深すぎたので上側の0.1mmでやり直しました。
使い古した刃物で0.1mmだと切れていない事があったので0.15mmにしたのですが、断線したところがあります。
やはり新しい刃物は切れ味が良く0.1mmでバッチリです。
今回は表面実装のマイコンを載せるのでピッチが細かく、また高圧部分もあるので短絡の心配を減らす為に不要パターンを手作業で剥がしました。
そして部品を搭載。レギュレーターの極性を間違っていた部分はパターンをカットしてジャンパーで修正しました。
その後ArduinoNANO用ブートローダーを書込み、そしてファームも書込みます。
部品搭載後の表側。
高圧用コンデンサは前回のと見た目が違いますが1μF,630Vの同等品です。
コントローラーとの接続用に4pinのXHコネクタを設けています。
そしてコントローラー側のパターンも作って・・・
切削!
こちらは実験的に不要銅箔もCNCで取り除いてみたところ、切削時間は大幅に伸びますが手作業で剥がすよりも楽です。刃物は半月刃を使っていました(土佐昌典VCは切れ幅が狭いし第一勿体ないので)。
切削直後はまだ細い銅箔が残っていますが、これは手作業で除去します。
そして実装(裏面)
本体に接続するケーブルは4芯接続なので古い電話線を使ってグルーガンで補強しています。
またコントローラーは前回と同じケース(MDF材で作成した)に収めています。
現状MDF材ですが、ずっと使うなら防水が必要ですね。
本体側は3Dプリントしたケースに収めます。
これも現状オープン状態ですが、十分にテストした後は樹脂で埋めて防水するつもり。
では前回と同じカブ(息子が50ccをボア/ストロークアップした107ccエンジン搭載車)に積んでみます。
CDI本体の小型化によりサイドカバーを閉めやすくなりました。
コントローラーは長めの4芯ケーブル(古い電話線)で接続。
ケーブルを1.5m程度に伸ばしたので見やすい場所にコントローラーを設置できる様になりました。
走った感触
点火部分はソフト、ハード共に前回から変わっていないので走った感触は前回のままです。
ファームウェア(Arduinoスケッチ)を掲載
試行錯誤の後が残ったままで汚いですが現状のファームウェアを掲載します。
マイコン(本体、コントローラー共)にはArduino NANOのブートローダーを書き込んだ上でこのスケッチを書いています。なのでもし追試される方はArduinoNANOをそのまま使う方が手っ取り早いかもしれません。
本体用→https://www.hoihoido.com/data/CDI-AC6.zip
コントローラー用→https://www.hoihoido.com/data/CDI-AC_Control.zip
なお前回の投稿ではコントローラーをパラレルで接続していました。今回の本体用ファームはシリアルコントローラー、パラレルコントローラー、どちらにも使用可能です(前回投稿の回路図で作ったCDIに書いても使える)。
回路図とファームウェアを使用される場合の注意
この回路図やファームウェアを参考にされる場合は事前に「免責・著作権・肖像権・リンク」のページを御一読願います(要は何か問題があっても責任持てませんよとか、自作するのは自由ですが販売とかを考えられるなら相談してねとか、そのあたりです)。