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方鉛鉱で鉱石ラジオを作ってみる。

皆さんは鉱石ラジオを作った事がありますか?
ゲルマニウムダイオードではなく鉱石検波器を使う方のラジオです。
話には聞くけど実際にやる機会は中々ないですよね。

鉱石入手

少し前の猛暑日が続いていた夏の休日、少しでも涼しいところに行ってみたいなぁという気持ちで大分県の鯛生金山に行ってきました。そして土産物屋に寄ると様々な鉱物のサンプルが売られており、その中に方鉛鉱(¥550)があったのです。

方鉛鉱といえばその昔、金属針を接触させた検波器でラジオを作っていたという噂のアレですね。 自分が物心ついた時にはとっくに絶滅しており、ラジオ工作でもゲルマニウムダイオードを使うのが普通でした(今はそれすら絶滅の危機)。
しかも2026年現在AMラジオの放送は終息に向かっており、2~3年の内に大半の局がFMに移行していくと聞いているので試すなら今の内です。
という事で方鉛鉱、購入しました。

鉱石検波器を作る

では早速、方鉛鉱で検波器をつくっていきます。
購入した方鉛鉱は一辺15mm程度のほぼ立方体なので、もう少し小さいカケラになる様に割ります。
ラジオペンチで挟んで捻ってみると、大小のカケラに割れました。
この内、比較的大きいカケラを使っていきます。

ところで方鉛鉱はハンダが付きにくいらしいです。AIさんの説明だとよくやる方法としては金属で挟んで固定するか、画鋲(昔ながらの金属のやつ)の頭にハンダを盛り上がるまで乗せて溶かしておき、そこにピンセットで押し付けるというものです。画鋲方式の場合、ちゃんと合金化していませんがハンダで取り囲んで止めている様です。
ではハンダ盛り方式でやってみましょう。でも丁度いい画鋲が無いので銅箔テープを適当に切りハンダを盛ってカケラを押し付けたところ、いい感じに取り付け出来ました。

同調確認用にゲルマニウムダイオード(1N60だと思うが詳細不明)にも切替可能にしておきます。

手持ちのコイルとバリコンでとりあえず聞く

その昔息子が作ったコイルと適当なバリコン(実測最大270pF)があったのでこれを使います。

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適当な電線を木に引っ掛けてアンテナとし、まずはゲルマニウムダイオード側に接続してクリスタルイヤホンで受信すると・・・良く聞こえます。
ここまでは普通にゲルマラジオです。

ところでクリスタルイヤホンも絶滅状態らしく、現在入手できるのは圧電ブザーみたいなのが入ったセラミックイヤホンだそうですが、これは本当のクリスタルイヤホンです。

クリスタルイヤホンの方が感度が良いという話を聞きますが、セラミックイヤホンも試したところ接続の仕方(コイルのタップの取り方とか)によってクリスタルイヤホンが良い場合とセラミックイヤホンが良い場合があって、どちらが良いとも言えない感じでした。
(自分のクリスタルイヤホンが古くて劣化している可能性もあります)

いよいよ方鉛鉱で聞く

点接触させるための金属針ですが、まずはコイルを巻いた時のエナメル線を短く切り、紙やすりで被覆を剥がした銅線を接触させてみます。

ゲルマニウムダイオードで受信できる事を確かめた状態で方鉛鉱に切り替え、銅線の先をミノムシクリップで挟んで接触させると小さくガリッという音が聞こえますが放送は聞こえません。
接触点をすこしずつ変えながら探っていくと、たまに一瞬だけ音声が聞こえるポイントがありますがすぐに消えてしまいます。

手持ちで接触させるのは無理がありますね。接触点を変えながらも固定できる方法を考えましょう。

電極保持器

こんな形のマグネットがあるので・・

挟みこむ治具を3Dプリントしてマグネットにネジ止めします。


適当なベーク基板に小さな鉄板と方鉛鉱が乗った銅箔テープを貼り付けて・・・
銅線をいい感じに曲げた上でプリントパーツに挟み、マグネットを磁石にくっつけます。
固定した鉄板上の自由な位置にマグネットをくっつけられるので微調整が出来ます。
・・・これでどうでしょう?

では受信してみます。
細かく接触点を探っていって、ちゃんと聞こえるところで手を離してもマグネットで固定できるので聞こえる状態を維持できました。

ダイオードの方が断然よく聞こえますが、方鉛鉱でも稀にすごく聞こえるポイントがあります。 うまく聞こえないときでも基板を指でトントンと叩くと良くなったりします。

方鉛鉱でちゃんと聞こえるんですねぇ。
これは「半導体デバイスを自作した」と言ってもいいのではないだろうか。
かなり誇張していますが間違いではないし・・・

スパイダーコイルを巻く

ダンボール箱のコイルは扱いづらいのでもうちょい何とかします。
という事でスパイダーコイルにしましょう。
巻き枠は3Dプリンターで作れば一撃です。

これに0.3mmのエナメル線を93回程巻き、途中何か所かタップを設けています。
両端をLCRメーターで測ると約320μH。いい感じです。

バリコンも自作

せっかくなのでバリコンも自作してみます。
片面プリント基板用のベーク版を適当に切り銅箔面を上にして3Dプリントした台に両面テープで貼りつけます。そして銅箔上に梱包用ポリプロピレンテープを空気が入らない様に慎重に貼りつけて絶縁体とします。

そしてもう一枚の基板を銅箔面が下に来る様、横からスライドさせながら取り付けます。


上側基板の銅箔面の写真。ただの板に電線をハンダ付けしただけです。

これで上側の基板を左右にスライドさせると対向する面積が変わるので静電容量も変わるという算段です。
なお基板間に隙間が空いていると不安定になりそうなので押さえつけるパーツも取り付けました。

上下の銅箔にリード線を付けてLCRメーターで測ると最大400pF、最小50pF程度となり、全体にちょっと値が大きいですが受信してみると、ちゃんと聞こえるし選局も出来ますね。

でもやはり容量が大きいと、ほぼ最小容量値に近い付近だけで選局する事になってしまい、やり難いです。
またアンテナを取り付ける事で同調周波数が下がっている気もするのでコイルとバリコンの接続をタップ側に切り替えてL側を減らしましたが、更に上側電極の銅箔を写真の様に剥がすと選局しやすくなりました。

曲線状に剥がしているのは少しでも周波数が直線的に変わる様にしたかったからですが、完全に直線にするには面積が足りず、マシになった程度です。

全体をMDF板に載せてこんな感じになりました。

点接触電極をニクロム線に変更 & 電極保持器改良

0.3mmのエナメル線は柔らかすぎて不安定なので、手持ちにあった0,35mmのニクロム線に変えてみます(いつだかのハンズマン ガラクタ市で20円で買ったニクロム線)。
接触ポイントは紙やすりで磨いて尖らせておきました。

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また保持する為の3Dパーツもしっかり固定できる様に改良します。
2点で挟んでネジで固定する構造に。

これでだいぶ安定になりました。
また感度のいい接触点を探すとき、針を当てておいて本体をコンコンと叩いてやると良くなったり悪くなったりするので良いところで止めるという技も発見しました。

という事で・・・

あとはクリスタルイヤホンを自作できたら主な部品を全部自作したことになりますね。
ロッシェル塩の結晶を作ってみようかと考えているところです。

なお方鉛鉱は成分の大半が鉛であり、あまり体には良くはないので触った後は手を洗う方が良いです(といっても釣りするときには普通に鉛を触っているんですが)。